受託開発会社として他社との差別化をどうはかるか?(3/3)

The board Media 第一弾企画では、受託開発会社であれば誰もが悩んだことがあるであろう、他社との差別化について、PRの視点から解決策を読み解くべく、広報の専門家である、13xbordersの岡本さんとセッションを行いました。

セッションの内容を3回に分けてお伝えします。今回は最終回(第3回)です。

*発言者は、O:岡本さん、T:田向


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(O)大切なことですね。コミュニケーションの核を社内で共有することは何よりも重要です。
それに、そもそも会社って、それぞれが違うはずなんですよね。会社を立ち上げるとき、社名を考えたとき、こういった会社にしよう、こういう仕事をしていきたい、世の中をこういう風に変えたいなどのビジョンやイメージがあったはずなんです。

Velcさんはどうですか?社名の由来はなんですか?

(T)はい。社名のELCの部分は、Enjoy Life and Creationからとったのですが、エンジニアなので、単純にモノ作りを楽しもうというのが、ありますね。
大人になると、大半が仕事をしている時間じゃないですか。それ自体が楽しく出来ないと、おもしろくないので。あと、夜中まで、週末も仕事をしている、となると他のことができなくなる、それぞれの人生を楽しめなくなるじゃないですか。そういう風には、したくない、と思って、Enjoy Life and Creationとしました。

(O)Enjoyを持ち続けるって実はなかなか難しいことですよね。

(T)ちょっとした工夫だと思うんですよね。
完全にエンジニア的な視点で言うと、同じようなものや特別に技術的に新しい要素やチャレンジングなことがない状態を続けていると、あきるんですよ。単純に。
もちろん全員とビジネスの目標を共有してそれを目指すことが出来たらいいんですけど、それは結構理想論的な気がしていて、そこに興味が無い人のほうが大半なんです。もちろんお客様が目指すものを共有して、理解して取り組んでもらいたいところではあるんですが、それだけでエンジニアのモチベーションを高く保ち続けることは難しいと考えています。
なので、うちでは開発の進め方、管理の仕方など方法論ややり方を変えたり、新しい要素をいれてみたりして、自分たちの仕事の仕方に新しいモノを適応させて常に何かしら楽しめるような仕組みを入れています。

(O)なるほど。刺激をいれている、ということですね。それは田向さんがなされるんですか。

(T)そうですね。おもしろがれる仕組みをどう作れるかだと思っています。他で時間をとって勉強して、仕事に活かして成長するって時間的にも厳しいので、仕事で成長してほしい。人の成長がないと、会社も成長しないので、意識的に成長出来る場をつくるようにしています。まぁ、普段の会話でもこういうのできたら、面白いよね、という話はみんなでしていますね。

(O)なるほど。きちんとEnjoy Life and Creationのスローガンを行動に落とし込んでつづけていらっしゃるのはすばらしいですね。
実は、そういうことが企業ブランドの核に近いところです。行動指針がEnjoy Life and Creationだとすると、それにより、何をお客様にValueとして提供できるのか、そういった点をアウトプットできるといいですね。これから規模が大きくなると、共有のためにも言語化が必要ですし、絶対皆さんで話し合ってほしいです(笑)。VELCさんのその姿勢でどのような価値を市場に提供しているかというストーリーは、リクルーティングの際も有効だと思います。

(T)なるほど。確かに採用のときはいいかもしれないですね。他に、自分たちのことを語るときに有効なことはありますか。

(O)まさにValue PropositionのForの部分ですが、誰に話しかけたいか、を明らかにする、コアターゲット像の姿を明確にすることは、非常に重要です。それで自分たちの姿が半分くらい見えてくると思います。そして、ターゲットに提唱する価値自体、またその表現の妥当性を、対象市場、会社規模・市場規模・時代性をふまえて、検証してみてください。
また、現在は、ほぼすべての市場がコモディティ化しています。だからこそ差が見つけにくい、と感じられると思うのですが、「こんなことを言ってもしょうがない」とか「これはあの会社と同じだ」などと、考えを引っ込めたりせずにコンセプト、デザイン、性能、価格について思いつくことを全部出してみてください。すべて出し切った後に、その企業だけ、その事業だけのストーリーが浮かび上がってくると思います。社歴のある会社さんの場合、どういった仕事をよく頼まれるか、頼まれてきたか、というのもいい指標になると思います。
「なぜうちに頼んでくれたのですか?」お客様に聞くのも発見があるかもしれないですね。
あと、これまで、そういったことをしてこなかったとしても、大丈夫です。今あるもの、これからのことで考えればいいですから。

(T)遅くはない、ということですね。あと、最近何が炎上するか分からない、のでどんな情報をだしていいか、出しては行けないかを迷うことあるのですが、言わない方がいいこと、炎上しやすいこと、などはありますか?

(O)自分たちのあつい想いを言葉にすることは悪くないんですが、それが社会的に、グローバル社会的にみてどうなのか、という点は考えたほうがいいです。発信する情報については、常に、倫理観やモラル、社会情勢に照らし合わせてみることが重要ですね。

例えば「うちはみんな寝ずに仕事してます!」と発信するとします。すると、たちまち“ブラック企業”というシールを貼られますよね(笑)。そういうのは、あのときはこうだった、ということで振り返る時はいいかもしれないですが、顧客バリューを語っている訳でもないですし、シールを貼られたい場合以外は、わざわざ言う必要はないです。逆に今、それを言うってことは、どうしたいんだろう、と受け取り側の方が考えちゃうかもしれないですね(笑)。現在は、片手で世界とリアルタイムでコミュニケーションする時代ですので、グローバルな視点での、倫理観、モラルが問われます。宗教、人種、歴史、ナショナリズム、性、などに触れるときには特に注意してください。必要がない場合、触れない方が無難です。

(T)世界的な視野で考えないといけないんですね。あと、会社がある程度の規模になると広報を置くケースがあるようですが、小さい会社の場合は難しいです。どういうことから活動を始めていくのがよいのでしょうか。

(O)まず、アウトプットとして、何が欲しいかあるいは、何が足りてないのか。広報の成果として何を求めるか、を考えるといいと思います。

会社案内がつくりたいのか、インナーコミュニケーションをはかりたいのか、媒体掲載をしたいのか、広告宣伝をしたいのか、ブランディングがしたいのか、イメージをはっきりさせて、そこで、何が必須なのか、何が目的なのかそして、それがなぜなのか、どういった成果を求めているかを明確にすることが重要です。
その内容によって、外と組むのもありますし、採用した方がいい場合もあります。

兼任を任せる際には、一度プロに入ってもらい、業務内容や評価軸の大枠は作成しておた方がいいと思います。兼任で、苦しんでいる担当者さん、企業さんをたくさん見てきましたから。

(T)何を実現したいかで決めるべきで、企業規模は関係ないということですか?

(O)はい。社会やステークホルダーとどのようなコミュニケーションをとりたいか、それを実現する体制を定めるといいと思います。

少し前に、欧米で「コミュニティマネージャー」という職種が生まれ、最近日本でも、IT界隈で聞くようになってきましたが、これは、ソーシャルメディアやオンラインコミュニティを管理する人材のことをさしていたんですけど、近年では、オフラインでの顧客エンゲージメントやエバンジェリストとのエンゲージメントも期待されているようです。私の視点からすると、広報の仕事の範疇とも言えるのですが、“コミュニケーション“をテーマとする以上、個人のスキルによって実現できる幅が全く変わってくる仕事といえることは、覚えておくと言いと思います。

情報を発信するには、情報を整理すること、情報を創ることが重要です。発信する情報が見つかれば、今はマスメディアを通さずとも、ホームページやFacebook, Twitterなどのソーシャルメディア、ブログなど、いろんな媒体で発信することが出来ます。ひとつの何かをPRするにしても、どんな手法を使って誰に訴えるか、自分たち、ターゲット、また内容に合った、メディアを選択しコミュニケーションをつづけてみてください。

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