株式会社Brownies Worksは、クラウド会計に特化したバックオフィスの設計・構築・運用を行うサービス「Brownies Works」を提供する企業です。
既存の業務に基づくフローの設計からSaaSツールの選定と導入、日々の月次業務の運用までを一気通貫で提供し、スタートアップ企業など、「バックオフィスの専任担当者がおらずCxOなどが兼務している」ような会社で多くの利用実績があります。
boardはバックオフィス支援のSaaSツールとしてご活用いただいているほか、自社の業務でも6年ほどお使いいただいています。
今回はバックオフィスの専門家の立場から、boardをどのように評価しているのか、またboardはどのような企業に向いているのかといったことについて、代表取締役の土屋稚奈さん、ディレクターの国見忍さんにお話を伺いました。
boardは請求書の作成が圧倒的に楽。コストパフォーマンスも高くお勧めしやすいツール
Brownies Worksのサービスにおけるboardの位置づけを教えてください
<土屋さん>
当社が提供するバックオフィス支援のサービスでは、支援先の企業様から現状の業務フローや課題感をヒアリングした上で、迅速かつ正確な月次運用ができるように業務フローを設計してご提案しています。
コンサルティングサービスとは異なり、設計・提案で終わりではなく、その実現に必要なSaaSツールの選定と導入、実際の運用までを行います。
また、日々の運用で発生する作業だけを請け負うのではなく、その前提となる業務の設計から行うという点で、一般的なBPOサービスとも異なります。
boardは業務を設計する際に、主に請求書の作成・管理と会計ソフトへの連携を効率化する目的で支援先の企業様にご提案しています。
その他、自社の業務でも2018年から活用しています。
自社の業務でも長年ご利用いただいていますが、どのような部分が便利ですか?
<土屋さん>
boardのおかげで毎月の請求業務がとても楽になりました。
boardには書類作成のほか、業務管理や分析・予測など便利な機能がいろいろとあるので、私たちもそのすべてを活用できているわけではありません。それでも、基本となる請求書の作成機能だけでも十分に使う価値があると思います。
個人的にも、使い始めた当初から大好きなツールです。
<国見さん>
これまでも、Excelに始まって会計ソフト付属の請求書作成機能、その他の専用ソフトなどいくつかのツールを使ってきましたが、そのどれと比べても、boardは圧倒的に請求書の作成が楽です。
とくに定期請求の機能はとても便利ですね。最初に定期請求の案件として登録すれば、毎月分の請求書が自動的に作られて、あとは数字を調整するだけで請求書ができます。そのままboardから送付することもできますし、請求が完了したら自動的に会計ソフトへ連携することもできます。
Excelなどで作ってから印刷して、1通ずつ頑張って封入・投函したり、会計ソフトに打ち込んだりしていた頃に比べると革命的に便利になりました。
boardと他のツールとを比べて、どのような点がお勧めですか?
<土屋さん>
boardはUIがとてもわかりやすいですね。
画面に無駄な装飾がなく、フォントも大きすぎずバランスが良いので、1つの画面で必要な情報を確認しやすいです。画面内の項目も「ここにあってほしい」という場所に必要なものが置いてあるので、直感的に使えます。
また、boardの書類作成画面はできあがりの書類イメージがつかみやすいので、それも使いやすいところです。
出力のプレビューができるツールは他にもありますが、入力画面と出力のイメージが大きく違っていたり、プレビューの表示が遅かったりして使いづらいことも多いです。その点boardは、「出力される書類を直接操作している」ような感覚で書類を作れるので、そういったストレスがありません。
他にも、明細の行が少なくて書類が縦に短くなってしまったときに、行が自動で挿入されてバランスを整えてくれたり、逆に自動で挿入されないように設定することもできたりと、かゆいところに手が届く作りがとても好きですね。
<国見さん>
boardの請求書は柔軟性が高くて、先ほど話した定期請求の機能でも、「今回だけ特別に値引きを入れたい」とか「この月だけ明細を変更したい」といった調節ができるので助かります。
お客様へboardを提案する立場としては、料金が安いのもお勧めポイントですね。
請求書作成ツールには無料のものもあるので、お客様によっては「請求書を作るのにお金がかかるんですか?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
でも、boardには無料のトライアル期間が30日間あり、料金自体も安いので、「ぜひ一度試してほしい」とお勧めしやすいです。実際に使ってもらうと、「この便利さでこの料金なら安い」という反応が多く、高いからやめるという方はいらっしゃらないですね。
boardのサポートについてはいかがですか?
<土屋さん>
サポートに問い合わせると、素早く的確な回答をいただけるので助かっています。
でも、boardはヘルプページがとても充実しているので、わからないことがあっても大抵の場合はヘルプページを探せば解決できます。
また、ヘルプページを検索したときに、「それを知りたかった」という情報がちゃんと検索結果として出てくるのもありがたいですね。
ユーザーとしては、必ずしも正確な用語を覚えているわけではないので、「こんな感じだったかな」と曖昧に検索することの方が多いと思います。それに対して、「お探しの情報はこれではないですか」という精度の高いレコメンドが表示されるので、とても助かります。
検索キーワードはユーザーの利用状況に応じて最適化していると聞きましたが、そういう地道な取り組みをコツコツと積み上げた結果が使いやすさにつながっているのだなと思います。
「案件」単位での書類管理は業務フローの最適化にも適している
バックオフィス支援ではboard以外のサービスを提案することもあると思いますが、boardを提案する場合との違いは何でしょうか?
<土屋さん>
どのサービスを提案するかということは、支援先の状況に応じて判断しています。
たとえば、受託開発や経営コンサルタント、士業事務所のように「同じ取引先に毎月請求書を発行する」というお客様であれば定期請求がベストマッチするので、会計ソフトとの連携機能なども踏まえてboardを提案しています。
また、お客様の方から「何か良い請求書作成ツールはないか」と聞かれたときも、まずはboardをお勧めしています。
逆に、単発で多くの取引先に請求している会社や、納品のたびに請求書を発行しているようなお客様には、board以外のサービスを提案することもあります。
boardの「案件単位で書類を管理する」という仕組みについて、業務フローを設計する上でのメリットはありますか?
<国見さん>
書類を管理するという観点では、案件単位でまとまっている方が断然管理しやすいと思います。
最近は会計ソフトに付属している請求書作成機能でもできることが増えてきているので、そちらを利用しているお客様も多いのですが、会計ソフトには「案件」の概念がありません。
実際の仕事の流れは、フロントが打診を受けて見積書を作成し、受注、納品の後、それらを元に請求書を作成しますよね。これらの情報のまとまりが「案件」です。
最適な業務フローを考えた場合、請求書を正しく発行するためには、それ以前のプロセスで数字が正しく管理されている必要があります。
請求書だけを切り離して経理が会計ソフトで管理するより、「案件」という単位のままフロントが管理し、そこから請求データが会計ソフトへ連携される方が流れとしてはスムーズです。フロントやバックオフィスにとっても、その方がお互いに管理しやすいと思います。
<土屋さん>
実際にお客様のお話を聞くと、「請求書の作成だけを効率化したい」という方はあまりいらっしゃいません。ほとんどの会社は、先に見積書があり、それを元に請求書を作成しているので、「boardで見積書をきちんと管理すれば、請求書も簡単に作れますよ」とお話ししています。
また、案件単位で管理することで、欲しい情報を得やすくなるという効果もあると思います。
たとえば、経営者が売上の推移や利益率を見たいと思ったときに、通常のツールでは請求書が一覧で並んでいるだけなので、スプレッドシートなどで集計し直さなければ必要な情報を見ることができません。
しかしboardなら、顧客や期間で簡単に絞り込みができて、累積の売上や粗利なども案件ごとにわかるようになっているので、経営管理の面からも便利だと思います。
「ぶれない」から安心して使いつづけられる
boardに今後どのようなことを期待していますか?
<土屋さん>
私はboardを長年使ってきましたが、「ぶれない」ところがとても好きです。
初めの方で話したUIの話にも通じますが、フォントの大きさや行間、配色、アイコンまで1つ1つに理由があって、急に見た目が変わったり、むやみに機能が増えたりしないので、安心して使いつづけられます。
<国見さん>
とくにバックオフィス向けのツールは、インボイス制度や電子帳簿保存法への対応のように、法制度の変更に応じてアップデートしていく必要があるので、サービスの質や使い勝手を維持しつづけるには他の分野にない難しさがあると思います。
実際、どんなに気に入ったツールでも、長く使っていると「ここが使いづらくなった」とか「この機能にはまだ対応してくれない」という不満が出てくるものですが、boardはユーザーがそういうストレスを感じないように先回りしてフォローしてくれるので、その意味でも継続して使いやすいと思います。
<土屋さん>
「バックオフィス業務のために起業したのではない」というboardのキャッチコピーも、私たちが使い始めた頃からずっと変わらないですよね。
そういう企業姿勢が一貫しているところや、言葉と行動が一致しているところはサービスを使う上での安心感につながりますし、お客様にも安心してお勧めできます。これからも変わらずに、使いやすく便利なツールでありつづけてほしいですね。