事例のポイント
- 請求の担当者ごとに属人化していた情報をboardで一元化
- 従来の請求業務にかかっていた時間を45%短縮(月平均55時間→30時間)
- boardの請求管理・売上管理機能は顧客への個別対応が多い会社のニーズにもフィット
課題
- 顧問先の要望に応じて案件ごとに異なる方法で請求業務を行っていたため、管理の負担が大きくなっていた
- 請求方法の詳細は担当者に属人化していたため、担当者を増員した際に引き継ぎがうまくいかず、ミスが発生した
対策
- 複雑な要件にも柔軟に対応できる請求システムの導入
効果
- 顧問先や案件ごとに異なる請求上の要件を一元的に管理できるようになった
- 案件を登録するときのルールを整え、その運用を徹底したことで、複数の担当者間でずれが生じなくなった
- 月に約55時間かかっていた請求業務を約30時間にまで短縮できた
ビューロ・ネットワーク税理士法人 は、愛知県名古屋市を拠点に会計事務所グループを運営する企業です。顧問先の売上アップを実現する「コンサル型税理士」を提唱し、グループ会社のアカウントビューロー株式会社との連携によって、税務・会計に留まらない広範な経営支援サービスを提供しています。
boardは2021年に導入していただき、主に顧問先企業への請求の管理でお使いいただいています。boardを導入した背景や現在の使い方について、管理部 総務課の伊藤様にお話を伺いました。
地域密着型の「お客様に寄り添う対応」にboardの柔軟性が適していた
boardを導入した背景を教えてください
弊社は代表税理士である松川幸弘の個人事務所として、1988年に開業し、32年目となる2020年に法人化しました。
法人化当初は、個人事務所時代の名残で組織体制や運用ルールが整っていませんでしたが、まだ規模が小さかったため大きな問題はありませんでした。しかし、取引先が順調に拡大し、従業員数も増えた結果、社内の体制をしっかり整える必要性が生じてきました。
とくに、私たち管理部 総務課が担当する請求業務には多くの課題がありました。
たとえば、弊社は前身の個人事務所時代から、地域密着で中小零細企業の経営支援を行ってきましたので、お客様に寄り添う姿勢の表れで、請求業務などもできる限り顧問先の1社1社に合わせて対応してきました。
これは顧問先によって対応が変わるというだけでなく、案件によっても変わることがあります。たとえば、同じ顧問先でも分割支払いの回数が3回だったり、24回だったり、あるいは11回という半端な回数になることもあります。
このような個別対応の詳細は、総務の請求担当者が案件の担当税理士から指示を受け、表計算ソフトでまとめていました。ただ、それは個人的なメモに留まっていて、内容は総務の担当者本人にしかわからず、属人的な管理になっていました。
そのため、その後に請求担当者を増員した際、引き継ぎがうまくいかずにミスが発生し、クレームに発展してしまったこともありました。
請求書を作る際は、1件1件表計算ソフトのメモを参照しながら作っていましたが、これも目視と手作業による確認ですので、とても効率的とは言えない状態でした。
そしてこのような状況を改善するためには、社内の運用ルールを整えるとともに、これまで人力で処理していたものをシステム化する必要があると考えました。
boardを導入する決め手になったのはどのような点でしたか?
boardは、請求に関する諸要件を顧問先単位ではなく、案件単位で管理できて、しかもかなり柔軟に設定できることが魅力でした。
boardを導入する前は、会計事務所向けの業務管理システムに付属している請求書発行機能を利用していました。このシステム自体は会計業界に特化しており、毎月の顧問料と単発の案件とで請求回数を変えるという程度の設定は可能でした。
ただ、弊社のように顧問先ごと・案件ごとに細かく要件が変わるというケースには対応できませんでした。
たとえば、「今月は決算対応料の支払いがあるから、通常月とは請求内容を変えたい」とか、「売上は当月に一括計上するが、顧問先への請求は3回に分割したい」といった複合的な課題を解決することはできませんでした。
そしてこうしたニーズに対応できるシステムを探していたときに見つけたのがboardでした。
boardは支払条件や請求タイミングといった請求にまつわる情報を、案件単位で、柔軟に設定できます。分割で請求したい場合も自由に回数を設定できますし、「通常は翌月末払いだが、この案件だけ翌々月払いにしたい」といった設定も可能です。
また、売上管理の面でも、「計上情報の変更」機能を使えば計上金額や計上日を手動で変更して集計することができます。
顧問先ごと・案件ごとの請求ルールを、担当者個人の記憶に頼るのではなく、1つのシステムで一元的に管理して共有できる。これがboardを導入した決め手でした。
多種多様な請求情報をboardに一元化。毎月55時間かかっていた請求業務を30時間に短縮
boardを導入してどのような効果がありましたか?
私はboard導入前後の請求業務を両方経験していますので、とても大きな効果を実感しています。
具体的には、請求業務全体の工数として、導入前は月に約55時間かかっていたものを約30時間にまで削減できました。これだけ大きな効果が生まれた理由は、大きく3つあると考えています。
1つ目は、請求に関する多様な情報をboardで一元管理できることです。
以前は表計算ソフトのメモやチャットの履歴を確認しながら、1件1件請求書を作成していました。boardの導入後は、案件を登録するときのルールを細かく決めて、受注時に正しく登録しておけば、請求時にあらためて細かく確認する必要はないという状態になりました。
発送の際には、「請求ステータス」機能も活用しています。弊社は基本的に毎月15日が請求書の発送日ですが、案件によっては別の日に発送している場合もあります。請求一覧で「未請求」のフィルターをかけてから発送作業をすることで、二重請求が発生しづらくなります。
2つ目は、boardに翌月以降の請求金額をあらかじめ設定しておけることです。
以前のシステムでは当月の請求金額しか登録できなかったので、「初回は○○円だが、2回目以降は△△円で請求してほしい」といったケースでは、あらかじめ表計算ソフトで管理表を作っておく必要がありました。
その点、boardでは定期請求や分割請求で案件を登録すると、指定した期間分の請求書が自動的に作成されます。そこに先々の請求金額を設定しておけば、そのようなご要望にも確実に対応できます。
また、boardには案件ごとにメモを残せる「社内メモ」の機能があり、作業依頼を受けたときの指示を案件にサッとメモできます。これも伝達事項の抜け漏れを防ぐことにとても役立っています。
そして3つ目は、請求書をboardからメール送付できることです。
以前は、書類をメールで送るためにはシステムから請求書のPDFをダウンロードして、自分のメールソフトで送るしかありませんでした。当時は郵送希望の顧問先も多かったので、メールの作成にかかる手間や送付漏れのリスクなどを考慮すると、むしろ郵送に統一した方が良いのではないかと思っていたぐらいです。
しかしboardなら、請求書の画面から直接メールを送付できます。複数の案件を一括送付することも可能ですし、「メールテンプレート」機能で定型的な文面を登録しておけば、毎回同じ内容のメールを一から作る必要もなくなります。
boardを導入したことで、メールを送るハードルが大きく下がったので、「新しいシステムは請求書のメール送付が簡単」と社内に共有したところ、担当税理士を通じて「請求書の送付はメールでも良い」と言ってくださる顧問先がどんどん増えていきました。
今では半数以上の顧問先がメールでの受領に対応してくださっているので、書類の印刷費や郵送費もかなり削減できています。
顧問先1社1社に合わせた対応は事務の負担も大きいと思いますが、そのような業務にboardはフィットしているでしょうか?
法人化後、顧問先が増えてメンバーも増員した今となっては、boardのようなシステムがなければ私たちの業務は成り立たないと思っています。
以前は、顧問先がどんどん増えていく中で「ミスがあってはならない」とか「期限に遅れてはならない」といったプレッシャーを感じて、常に頭のどこかで請求業務のことを考えていました。結果的に、そのような状態がかえってミスを誘発していたとも思います。
boardの導入後は、請求書を発送する1週間前ぐらいから準備を始めても十分間に合うようになり、その他の時間は他の業務に専念できるようになりました。
自分たちの効率性だけを考えれば、お客様に提供する事務対応はある程度パターンを限定して、ご理解いただけるように努めるという選択肢もあると思います。しかしながら、弊社は36年間、地域密着で中小零細企業の経営支援を行ってきましたので、お客様のご希望にはできる限り細やかにお応えしていきたいと考えています。
その思いを実現するためにも、私たちにとってboardはとても頼りになる存在です。
デザインやヘルプページがわかりやすく、誰にでも直感的に使えるシステム
boardのお勧めポイントを教えてください。
一番お勧めしたいのは、やはり「お客様に合わせた柔軟な請求対応ができる」ということです。これまでにお話ししたように、細やかな対応をしようと思うとどうしても複雑な設定が必要になりますが、boardを使うとそのような管理も可能になります。
あとは画面のデザインがわかりやすいので、ITに馴染みがない方でも直感的に使いやすいと思います。
ヘルプページもかなり見やすく作られているので、そのようなサポート面でも安心感があると思います。私も初期設定についてはほとんど問い合わせをせずに、ヘルプページだけで完結することができました。
また、料金の面でも導入しやすいと思います。弊社も会社の規模感とboardのコストが合っていたことが導入の後押しになりました。他の方にも「まず1回使ってみてください」とお勧めしやすいなと思っています。