事例のポイント
- リアルタイムで正確な予実管理を低コストで実現
- SaaS事業者にとって相性の良い「定期請求」機能をフル活用
- board APIで経営陣が見たいデータを定期的に取得
課題
- Excelに依存して予実管理に必要な数値を一元管理できていなかった
- 会計システムの老朽化に伴い、販売管理システムのリニューアルが必要になった
対策
- 会計システムとの連携や請求書の発行が可能で、予実管理のデータベースにも使える販売管理システムの導入
効果
- 正しい数値がboardに集約され、予実管理の課題を解決
- board APIを利用して経営・業務に必要な情報をプッシュ配信
- 定期請求・メール送信予約・郵送代行等の機能で請求業務の効率が上がり、コロナ禍に出社頻度を減らせた
株式会社リンコム は業務用アプリケーションの開発・販売をしている1997年創業のソフトウェア開発会社です。業務用グループウェアのディストリビューションに始まり、現在はクラウド型の多店舗運営ソリューション「店番長」やアイデアプラットフォーム「店ノ閃」等の製品を自社開発・提供しています。
2018年にboardを導入していただき、現在まで6年以上ご利用いただいています。board導入の背景や現在の使い方について、取締役の土屋様、ビジネスサポート部 部長の藤井様にお話を伺いました。
※写真撮影は土屋様にご対応いただきました。
正確な予実管理や請求業務の効率化のために、全体最適の観点からboardを採用
boardを導入した背景を教えてください
土屋様:
最初のきっかけは、これまで使用していた情報システム全般が老朽化してきたので、情報システム基盤をリニューアルするプロジェクトを立ち上げたことでした。その一環でクラウド型の会計システムを導入し、それと連携できる販売管理システムを導入することにしました。
土屋様
藤井様:
当時の販売管理システムには請求書をメールや郵送で送信する機能がなかったので、登録済みのデータを別の請求ツールに再入力して請求書を送信していました。
その販売管理システムを最新バージョンに移行すれば請求書を送信することもできたのですが、移行には数百万円かかることがわかり、それではプロジェクトの予算を超えてしまうこともあり、新たに別の販売管理システムを導入することになりました。
土屋様:
また、請求書の問題とは別に、経営上の課題として予実管理の問題がありました。
それまではデータがExcelで管理されていたので、過去の予実情報が分散してしまったり、経営判断に必要な局面で数値が正しく更新されていなかったりということがありました。
一人で経営しているのであればともかく、複数名で経営しているので、経営判断のためにもリアルタイムで正確な数値の一元管理が必須です。そこで、まずは正確な予実管理を行うために一元化されたデータベースが必要であると考えていました。
boardをどのように知りましたか?
土屋様:
「boardというシステムがある」という噂を以前から耳にしていたので、個別相談会に申し込んで、どのようなところが良いのか具体的に聞いてみました。もちろん他社比較もいたしました。
boardを導入する決め手になったのはどのような点でしたか?
土屋様:
boardは当社が導入を検討していた会計システムと連携できるので、必須要件はクリアーしていました。会計システムの候補は2つありましたが、boardは両方に対応していたので良かったです。
また、board自体は予実管理にフォーカスしたシステムではありませんが、販売管理でboardを使えば「予実管理に必要なデータの一元管理」という課題も解決できると思いました。
以前、予実管理を行えるシステムを調べてみた際には、そもそもそのようなシステムが少なく、あったとしても高額だったり、カスタマイズが前提だったりしました。しかしboardは安価で販売管理業務を効率化でき、他のツールと組み合わせれば予実管理も実現できることが魅力的でした。
また、boardの請求管理は当社のようなSaaS事業者と相性が良く、請求作業の手間を大きく削減できると思いました。
ビジネスサポート部は別の販売管理システムに魅力を感じていたのですが、そちらはboardの3倍以上の費用になり、予実管理もなく、請求書の郵送対応もできないなどいくつかの課題がありました。APIによる拡張性や生産性向上の期待も薄く、また今回のプロジェクトでは聖域を作らないことが重要だと考えていたので、全体最適の観点からboardを導入することに決めました。
藤井様:
候補に挙がっていた別の販売管理システムはそれまで使っていたシステムに画面や作りが似ていたので、ビジネスサポート部としてはそちらを導入したいという考えもありました。ですが、土屋からboardについて話を聞き、実際にトライアルを経て、boardを導入することを決めました。
boardの導入時に苦労された点はありましたか?
藤井様:
既存データの移行に3ヶ月ぐらいかかりました。以前の販売管理システムはデータをエクスポートする機能がなかったので、業務の合間を縫って1件ずつ手作業でboardへ入力しました。
使い始めのころは設定や操作についてサポートに何度も問い合わせましたが、いつもスピーディーに精度の高い回答をしてもらえたので、とても助かりました。
経営指標がboardに集約された状態で、リアルタイムの経営判断を実現
boardの導入によって課題は解決しましたか?
藤井様:
請求業務をかなり効率的に行えるようになりました。
以前のように販売管理から請求書発行ツールへデータを再入力する必要がなくなり、board上で請求に必要な操作が完結するので、ミスが生じるリスクを減らすことができました。
以前は毎月発行する請求書で、明細の年月表記をその都度手直ししていたのですが、boardの定期請求機能のおかげでその手直しの必要もなくなりました。一括請求もできるので、お客様のご要望に柔軟に対応できます。
また、以前は請求書を郵送してほしいというお客様に対応するために、出社して郵送する必要がありました。boardには書類の郵送代行機能もあるので、請求書のために出社する必要がなくなりました。
メールで請求書を送る場合も、以前は月末月初にまとまった時間を確保して作業していましたが、boardはメールの送信予約もできるので、スキマ時間を使って予約しておくことができます。
土屋様:
予実管理の問題もboardを使うことで解決しました。
集計機能はboardでも提供されているので、シンプルに全体を把握する目的であればそれだけで十分です。しかし、さまざまな角度から分析したいケースもあります。そのため、CSVでデータを出力して、BIツールなどで分析するといったことも行っています。
予実管理の原則は、1つのデータベースに必要な情報が蓄積されていて、データをいつでも取り出せることであると考えています。
boardを導入して経営指標を集約できたので、boardを起点にBIツールなどと合わせて正確な予実管理を行えるようになりました。
boardの現在の使い方を教えてください
土屋様:
boardの標準機能だけでなく、board APIを使って案件の金額やステータスの変動を日次でメール送信するプログラムを作りました。
たとえば、ある案件の請求予定日を営業担当が急に変更してしまい、それが年度をまたいだ変更であった場合、経費執行できるはずの施策を方針変更しなくてはならない、ということもあり得ます。しかし状況をリアルタイムに把握できれば、的確に対策を立てられます。
営業担当からスケジュール変更の情報を逐一共有してもらえれば良いと言われるかもしれませんが、隠すつもりはなくても、都合の悪いことほど見えないところで起きるものです。そこで、board APIで案件の変動情報をバッチで取得して、常に変化を把握できる仕組みを作りました。現在は全社員がboard APIで取得した情報を毎日メールで受信して、判断の材料に利用しています。
他にも、board APIを使って生産性をKPI化するための独自ツールを開発しています。
boardのお勧めポイントを教えてください
土屋様:
boardは一度導入するともう他のシステムに乗り換えられなくなります。機能が充実している上に安価で、APIなどの拡張性もあるので、なかなかboardに匹敵するコストパフォーマンスのシステムが存在しません。
また、予実を簡便に管理したい経営者にもboardはお勧めです。予実管理システムをわざわざ導入・構築することを考えると、販売管理システムとして運用しながら予実も管理できるわけですから、その価値は十分に感じられるかと思います。
藤井様:
boardは作りがとてもわかりやすく、新しい機能が追加されてもヘルプを見る必要がないぐらい使いやすいシステムです。サポートも親切で、当社からの問い合わせにいつも丁寧でスピーディーな回答をしてくれます。
システム変更では少々骨が折れる経験をしましたが、boardは一度入れてしまえば請求業務がとても楽になるので、お勧めです。