プロジェクト型のビジネスにはboardの原価管理機能が一番優れていた

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事例のポイント

  • 案件ごとに支払いと請求を管理できるようになり、資金繰りの不安が解消された
  • 通期での原価管理を理想的に行える状態になり、2~3年後の売上予測を立てられるようになった
 

課題

  • 入金と支出のタイムラグが経営上の負担になっていた
  • 原価の把握に2~3ヶ月を要していた
 

対策

  • 案件の原価管理や請求・支払管理を一元的に行えるシステムを導入
 

効果

  • 手間をかけずに精度の高い原価管理を実現
  • 経営に必要な数字をリアルタイムに把握できる環境を実現
  • 当年度だけでなく2~3年後の売上予測も立てられるようになった

boardを活用している領域:営業管理・見積作成・受注管理・請求管理・入金管理・支払管理・会計連携・売上見込・案件ごとの損益管理

株式会社PCOは、企業や学会が開催する国際会議(MICE)の企画・運営を専門とする2003年創業の会社です。1999年の富山国際会議場のオープンを契機に、東京の企業から「富山県内でのMICEの運営を依頼したい」という相談を受けて設立されました。

社員数30名弱ながらも半数以上が英語対応可能なことや、MICE事業に長年携わってきた経験とノウハウを生かし、近年は都内や海外の大手企業から国際会議の運営を相談される機会も増えています。

2016年にboardを導入していただき、8年以上ご利用いただいています。board導入の背景や現在の使い方について、専務取締役の松村様にお話を伺いました。

 

長期プロジェクトにとって最適な原価管理を行えるサービス

boardを導入した背景を教えてください

MICEのプロジェクトは1案件の金額は大きいのですが、期間も長いので、印刷物の制作や会場の予約、設営業者への施工発注など、お客様からの入金の前にさまざまな支払いが発生します。

そのため、プロジェクトごとの原価管理が経営上とても重要なのですが、boardの導入前は具体的な金額が判明するのは社内で毎月の支払いを締めて会計事務所へ引き継ぎ、会計上の処理が終わる2〜3ヶ月後でした。

幸い、これまでに資金繰り上のトラブルが発生したことはないのですが、それは前の代表の経営センスによるものでした。そこで代表が替わり経営体制が刷新したタイミングで、原価管理のあり方を見直すことにしました。

まず、Excelのままではスピーディーな原価管理を行うことは難しいと判断し、システムの導入が必要だと考えました。「請求書 原価管理」といったキーワードで、案件の原価管理や請求・支払管理を一元的に行えるシステムを探したのですが、請求管理システムでは原価管理ができない、原価管理システムでは建設業や製造業向けのものが多く、当社のような受託の業態にはフィットしないことが見えてきました。

そこで自分たちでなんとか実現しようと考えていたときに、たまたまboardのサービスサイトにたどり着きました。

 

boardを導入する決め手になったのはどのような点でしたか?

いくつか見たシステムの中で、boardの原価管理機能が一番優れていると思いました。当社の場合、単月ではなく通年の売上と原価を迅速に把握できることが重要なのですが、boardならそれを手軽に実現できると思いました。

また、当社で使っているMFクラウド会計にも連携可能だと知り、費用もとてもリーズナブルだったので、これしかないと思い導入を決めました。

 

boardの導入時に苦労された点はありましたか?

ヘルプやチュートリアルが丁寧だったこともあり、boardの導入はとくに苦労しませんでした。

少し大変だったのは、boardの利用者を増やした時です。導入当初は一部のメンバーしかboardを利用していなかったので、問題はありませんでした。ですが、当社の案件担当者全員にboardのユーザーアカウントを配布し、それぞれで利用してもらうようにしたところ、boardの利用ルールが浸透していなかったため、入力する情報や箇所が人によって異なり、結果として年間売上や粗利の数字がおかしくなってしまいました。

これに対しては、ある程度のルールを定めて、案件担当者が自由に編集できる部分、営業担当者が変更できる部分、管理部がチェックする部分などを分けて設定し、必要な数字をきちんと確認できるようにしました。boardはこのように、権限を細かく設定できるところも魅力だと思います。

 

案件の原価管理が理想的な状態で行えるように

boardの導入によって課題は解決しましたか?

はい。プロジェクトを受注した時点で、発注がすでに確定している場合はboard上の案件に発注先として登録し、発注先はまだ決まっていないがコストの発生は確定しているという場合は、案件の原価に概算を入れています。これにより、案件の原価率をいつでも高い精度で見られるようになりました。

また、以前は翌年度以降の売上予測を立てられませんでしたが、boardを使うことによって今年度だけでなく、2〜3年後の売上予測も立てられるようになりました。経営に必要な数字がすぐにboardで見られるので、とても助かっています。

 

boardの現在の使い方を教えてください

当社の案件担当者全員にboardのユーザーアカウントを発行しています。カスタム権限のアドオンも利用し、役職に応じてboard上の案件を閲覧のみできる権限、帳票の作成・送付までできる権限などを分けるようにしています。

また、MFクラウド会計と連携して利用しています。初期はデフォルトで用意されているCSV連携の方式で行っていましたが、2020年にMFクラウド会計側が開発したAPI連携の方式に切り替えました。会計事務所にもboardのユーザーアカウントを発行して、買掛・売掛の詳細をboard上で直接確認していただけるようにしたことで、会計事務所とのやりとりの手間も減っています。

その他、当社から海外の組織に向けて請求書を発行することもあるのですが、boardが英語・外貨にも対応しているのでとても助かっています。

 

boardを今後どのように使うか、ご想定があればお教えください

MICEのプロジェクトは、企画立案、広報、各種デザイン制作、開催場所や設備の手配などさまざまなノウハウが成否を分けます。従来はスタッフ個人の属人的なノウハウによってプロジェクトが回っていましたが、コロナ禍をきっかけに、MICEもDXが必要だという話が社内で進みました。

まずは自分たちの業務を効率化することを目的に、MICEのプロジェクトで発生するさまざまなタスクをオンラインで実行・管理できるシステムを自社で開発したのですが、代表がMICE業界のDXに貢献したいと考えたことから、学術会議事務局のオンラインプラットフォーム「SMART Conference」として、当社のようにMICEの企画・運営を業務とする企業に向けて2023年2月から販売を開始しました。

今後の当社は、従来のMICE業務とSMART Conferenceの販売という2つの事業が柱になりますが、どちらの売上が伸びているのか、利益率が良いのかといった経営分析にもboardを積極的に使っていきたいと考えています。

 

boardのお勧めポイントを教えてください

boardの魅力は、請求や支払いの管理に加えて、原価管理を手間なく確実に行える点にあると思います。

また、boardはとても柔軟なシステムだと思っています。たとえば、原価が確定していない場合や途中で変動する場合でも、金額を案件にその都度反映できます。これによって、経営において重要な利益率を迅速に把握できるため、経営判断に大いに役立っています。

コストパフォーマンスも優れているので、当社のようにプロジェクト単位で仕事を請け負っているような会社にはとてもお勧めです。

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