中小企業でのWeb解析の重要性(後編)〜小規模サイトでWeb解析・改善を始めるポイント、外部の専門家・ツールの活用


アクセス解析の定番であるGoogle Analytics。
とりあえず入れてはいるけれど、Google Analyticsは機能も豊富で、何をどう見たらいいのかわからず、ページビュー(PV)やユニークユーザー(UU)などの基本的な指標を見るだけに留まっているケースが多いのではないでしょうか。

そこで、Google Analyticsのデータを元にわかりやすいレポートを出力してくれるKOBITというサービスを提供している株式会社クリエイターズネクストの代表取締役 窪田さんにWeb解析についてお話を伺いました。

今回は後編です。(前編を読む



Web解析は、アクセス数が少ない段階でも可能なのでしょうか。

十分可能なことが多いです。
アクセスが少ないと言っても、ゼロであることはほとんどなく、500〜1,000程度はアクセスがあることが多いです。

たとえば、1,000UUのサイトで問い合わせをコンバージョンとします。CVRが1%とした場合、10件の問い合わせが得られることになります。
駄菓子のような単価が低い商品を扱っている場合はWebとの相性が良くないのですが、たとえば受託開発のように高単価のものの場合、10件の問い合わせのうち1件でも受注できれば十分ですので、CVRが1%ない場合、1%にするための改善をしていく意味はあります。

また、担当者の方が、「まだアクセス数が少ないから」といって何もしていない場合、ゴールが設定されていないことがよくあります。たとえば問い合わせフォームがないとか、電話番号が会社概要の中にしか書いていないとか、そういう状態だと、ユーザーは行動しようがないですよね。それを改善するだけでも問い合わせが来たりします。

公開直後で、本当にアクセスがゼロに近い場合は、アクセス解析の前に、まずはコンテンツを作ってSEOに力を入れたり、Facebookページを作ったりなど、仕組みづくりの方が大事になってきます。


Web解析は、かける時間(労力)と成果のバランスが難しいような印象があります。労力の割に効果が少なく、改善が趣味になってしまっているようなケースも聞きます。何かバランスよくやるポイントなどありますでしょうか。

改善が趣味になってしまうケースは、ビジネスとしてのゴールを意識できていない場合ではないかと思います。
いくらサイトからの問い合わせが増えても、それがまったく受注につながらなければ意味がありません。逆に受注につながるのであれば、改善にコストをかける意味は十分あります。

そのため、Webの世界だけで計測するのではなく、そこから先のビジネスのゴールまでのコンバージョンを意識することが重要だと思います。

たとえば、Webチームがサイトの改善を行い、そこで獲得した問い合わせを営業が訪問して受注に繋げるという場合、この二者が分断されていたら全体として改善されません。そのため、Web解析は、Webの部分だけ見ても本質的な改善はできず、部署間をまたがってトータルで見る必要があるため、トップマネジメントの仕事だと思っています。


Web解析を自力でやるだけでなく、外部の専門家に支援してもらったり、最近はWeb解析をサポートしてくれるクラウドサービスも増えてきているように思います。 その場合のメリットや注意点などありましたら教えて下さい。

外部の専門家にお願いする場合は、その方とのマッチングが一番重要かと思います。実際にそれによって業績が伸びているのであれば、続けていくべきだと思いますし、長く続けていれば、お互いがよくわかってきますので、さらにプラスに働いてきます。

逆に、うまくっていない場合、その外部の専門家のスキルの問題というよりは、ユーザーさんが感じている漠然とした不安に対して、うまく説明できていないケースが多いように思います。そういう場合には、弊社のKOBITのようなツールを使って課題をレポート化し、それをお互いが見て、客観的な分析の結果を元に話していくのが良いかと思います。

そのため、外部の専門家とWeb解析のツールのどちらかというよりは、一緒に使っていただくことで、客観的な課題を明確にし、お互いのコミュニケーションや改善が円滑に進められるのではないかと思っています。


最後に、御社が提供しているKOBITについて教えてください。

KOBITは、Google Analyticsの情報を元に、自動的にアクセス解析ができるサービスです。「小人が寝ている間に自動的にレポートを作ってくれる」というコンセプトでKOBITという名前になっています。

本日お話したように、Google Analyticsを見て全部理解していくというのは非常に大変なので、KOBITはわかりやすいレポートにまとめます。レポートでは、課題がわかりやすくなっていますので、それを元に、改善の実行に時間を使っていただけたらと考えています。

なお、KOBITのレポートは、制作会社さんがクライアントに提出できるようにPowerPointで生成されるので、自由に加筆・修正することができます。またレポートの中にKOBITのサービス名は入らないので、制作会社さんが自社のレポートとして提出することができるようになっています。


株式会社クリエーターズネクスト
KOBIT


株式会社クリエイターズネクスト 代表取締役 窪田望
株式会社クリエイターズネクスト創業者。アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒業。上級Web解析士。19で起業し、創業して10周年。省庁やメーカー、介護医療業界不動産分野でのSEO対策コンサルティングを担当。SEO対策・Web解析を担当し、売上増大、費用削減面での成果をあげる。はじめてWebサイトを作ったのは中学生の時。介護の口コミサイト「老人ホームマップ」を3年で業界No.1の会員数にすることに成功。20代の牽引する成長企業100に選出。
一覧に戻る
‹‹ 進化するリーガルテック。クラウド契約のメリット 中小企業でのWeb解析の重要性(前編)〜We... ››