営業が多くいる会社では、リードや商談の管理に特化した営業管理ツール(SFA・CRM)を使うことで、効率的・効果的に営業管理をすることができますが、営業や案件数が少ないケースですと、営業管理ツールだとオーバースペックで、使いこなせないことも多くあります。
board開発元の会社は、元々受託開発の会社ですので受託の営業活動を行っていますが、営業専任はおらず、また小さい会社ですので案件数もそれほど多くないため、営業管理ツールはフィットしませんでした。
しかし、売上の見込みを把握するためにも、引き合いがあった会社や見積中の案件の確度などの営業管理はしていく必要があります。
そこで、見積書・請求書作成から経営管理までをカバーしている「board」を使った簡単な営業管理を紹介したいと思います。
営業管理ツール(SFA)を使いこなせないケース
SFAなどの営業管理ツールは、営業活動にフォーカスして作られていますので、営業活動を強力に支援します。しかしながら「導入したけれど使いこなせていない」「価格が高いものが多く、費用対効果が見合わない」という話もよく聞きます。
どのようなツールでも、業務に合っていなかったり、使いこなせなければ導入効果は薄く、次第に使われなくなってきてしまいます。
営業管理ツールの場合、ある程度、営業マンの人数がいたり、案件数が多いケースを想定して作られていることが一般的です。
そのため、小さい会社で案件数がそれほど多くない場合、「エクセルで十分では?」「Trelloなどのカンバン方式のツールの方が管理しやすい」などという声も多く聞かれます。
これは、ニーズの違いで、やはり件数が少ない場合はそれほどいろいろなことを管理する必要はなく、「どのような見込み案件があって、どのくらいの金額なのか」が分かれば十分であることが多いです。
このようなケースの場合、どうしてもSFAなどはオーバースペックになってしまいます。また、費用的にもそれなりにかかるため、「それであればエクセルのままで良いのでは」ということになり、なかなかシステム化が進まないというケースが多く見受けられます。
boardにおける簡易的な営業管理
boardで扱うことができるメインの業務は「販売管理」ですので、営業支援は本業ではありません。
しかし、上記のように、SFAなどの営業管理ツールがフィットしないケースにおいて、簡易的な営業管理や営業見込みの把握ができるような仕組みを備えています。
とはいえ、SFAと同等のことはできませんので、そういったニーズがある場合はSFAをお使いいただくことをお勧めしますが、「SFAを使いこなせなかった」「そこまでのニーズを感じていない」というような場合は、ぜひboardでの営業管理をお試しください。
見積中案件の確度の管理・共有
営業管理において、必ず必要となる要素として「受注見込みの確度」があるかと思います。「ABC」「高中低」のようなランク分けから、「10%・20%」などのように数字でより細かい確度で管理しているケースもあります。
本格的な営業管理においては、10%刻みで細かい数字で確度を管理することが多いようですが、個人によって数字の基準が異なったり、細かすぎて運用が煩雑になり、あまりうまく活用できないというケースもよくあります。
そこでboardでは、「高中低」のランク分けによって大まかに見込みを管理できるようになっていて、それを元に売上の見込みを集計したり、営業状況を確認することができるようになっています。
boardの受注ステータスは、「見積中(高)」「見積中(中)」「見積中(低)」「受注確定」「受注済」「失注」があり、見積中案件の確度や受注・失注の管理ができます。
高中低のステータスは、たとえば
見積中(高):確度が高く、受注できる可能性が高いもの
見積中(中):受注できるかどうかは半々で、今後の営業状況次第
見積中(低):まだ確度が上がるまでには時間がかかる、他社に比べて分が悪く難しそう等
といった形で社内で運用ルールを決めて運用することができます。
このステータスで営業状況を管理し、案件一覧・売上集計機能などをスクリーンに映し出して営業会議をしているという事例もあります。
確度ごとの売上の見込み
受注ステータスは、「分析機能」で売上の見込みを把握するために使用されます。
boardの分析機能は、「請求した結果の売上」ではなく、「売上の見込み」を把握することに軸を置いています。
「受注が確定している金額」「受注が確定している金額 + 見込みが高い金額」といった形で、確度ごとに積み上げて集計しています。そうすることで、たとえば「受注が確定している金額 + 見込みが高い金額」で目標に届かない場合、「見積中(中)」の案件を頑張って取りに行く、という営業判断に使えるようになっています。
また、顧客別・案件区分別・担当者別など様々な項目で集計することができるようになっていますので、営業成績の分析等にも活用することができます。
さらに経営者にとって嬉しい分析機能として、損益計算書(PL)形式で表示することもできます。これにより、大まかな売上予測だけではなく、固定費を踏まえた営業利益の見込み(着地予想)をいつでも見ることが可能です。
このように、boardはSFAではないため営業管理機能そのものはSFAに比べると限定的ですが、シンプルなため使い勝手がよく、またboardの目的の1つである「日々の業務で発生したデータから自動的に経営に必要な数値を把握する」ことができるため、営業活動から経営までが繋がっているのが大きな特長です。
「社内メモ」を使った営業状況の記録・共有
案件ごとに「社内メモ」という項目があり、見積書等には表示されない自由に使える項目となっています。
一般的なSFAによくある「商談」などの記録を残す機能はboardにはありませんが、「社内メモ」は案件ごとに自由にメモを残せる機能ですので、そこで商談の記録を残していくことが可能です。
また、boardは営業だけのシステムではなく、請求・入金・経営管理といった後続業務までをカバーしているものですので、請求における注意点等を経理・バックオフィスの方向けの情報などを残していくと、スムーズに共有することができます。
経理・バックオフィスへのスムーズなバトンタッチ
一般的な営業管理ツールの場合、営業活動のためのツールですので、受注後の業務への受け渡しが課題になりがちです。
boardの個別相談会に参加される会社様のお話でも、営業と経理の連携に課題を感じていて、boardの導入をきっかけに改善していこうとしているというお話をよく伺います。
boardは、営業段階の後半から請求・入金までの業務をカバーしているサービスですので、経理やバックオフィスとの連携は非常にスムーズです。
よくある活用例ですと、営業が見積書の入力や受注ステータスの管理までを行い、それ以降の業務は経理やバックオフィスチームが行うという役割分担です。
board上、常に情報は一元管理され各メンバーで共有されていますので、営業は「受注済」にしてさえいれば、請求のタイミングになれば、自動的に請求一覧に上がってきて、経理が請求業務を行うことができます。
そのため、boardの導入をきっかけに、営業から経理へのバトンタッチがスムーズになり、「連携ミスによる請求漏れ・遅延が格段に減った」という声もいただいています。
「SFAを導入したけれどうまくいかなかった」「営業から経理への連携が悪く、それぞれで同じような情報を入力している」といった声をよく聞きますが、これは営業・経理それぞれで個別最適を目指してしまっていることによるものが多いようです。
会社全体の業務としてはそれぞれ繋がっているものですので、営業から経理までの全体最適を目指すことが重要です。
営業管理ツールとboardの併用
このように、boardは営業管理ツールではないのでそのための機能が豊富にあるわけではないですが、小規模な会社では、必要十分な機能を有しています。
しかし、boardの営業管理では物足りない、または規模が大きくなってきて本格的な営業管理ツールを使いたいという場合は併用することも可能です。
営業から受注までの業務の流れとしては、
という流れが多いのではないかと思います。
併用する場合は、営業活動の管理自体は営業管理ツールで行い、見積書の作成からboardを使用するという役割分担が最適です。
営業管理ツールで見積書までを作成するというケースもありますが、そこで線引してしまいますと、board上で請求書を作成する際に二重入力になってしまいますので、見積書からboard上で作成することをお勧めしています。
boardは30日無料でお試しいただけますのでぜひお試しください。
シンプルさと低価格で手軽に使える営業管理〜ユーザーの声
元々、営業管理ツールとしてSalesforceを導入していましたが、うまく使いこなせておらず、宝の持ち腐れになってしまっていました。
弊社の場合、営業の人数もそれほど多くはなく、また典型的な営業管理を行うというわけでもなかったため、セールスフォースほどの機能は必要なく、もっとシンプルに営業状況や見込みの把握をできるものを探していました。
boardは営業管理専門のツールというわけではないですが、案件の見込み管理やそこからの売上予測もでき、弊社にとっては十分な機能を備えていました。また、セールスフォースと比べて価格が1桁も安いのも大きな魅力です。
boardを導入して1年になりますが、boardの案件一覧や集計結果をスクリーンに映し出しながら営業会議を行うなど、今では欠かせないものになっています。
また、社内に導入するにあたっては、システムが苦手な営業メンバーからは「また新しいツールを覚えないといけないのか」と反対の声もありましたが、実際に導入してみると、boardはスムーズに使えており、学習コストもとても低くかったです。
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board事例インタビュー
社内で、事務担当者とリーダー向けに『board』の説明会を開いたのですが、「おお」という感嘆の声が何度も上がりました。「業務をシステム化し、効率化することはすばらしいことだ」とあらためて実感しました。VELCさんが開発しているということで、開発スピード、品質、継続性などトータルで信頼できることも採用の決め手です。