請求書の作成、発送、会計システム(freee)への売上の計上が50秒で終わる



髙敏晴会計事務所 公認会計士・税理士 髙敏晴氏にboard導入の経緯を伺いました。


1. 髙敏晴会計事務所様の事業内容について教えて下さい。

2014年の9月まで大手監査法人で上場支援や医療系の経営コンサルなどを経験し、10月に事務所を立ち上げました。

事業領域は以前と同じですが、よりクライアントの現場に近い関係性で仕事をしたいと思っています。現在、クライアントは、ベンチャー企業や病院で、経営改善のコンサルティングや、税務顧問、記帳代行を行っています。


2. boardを利用することになった理由を教えて下さい。

co-meetingの矢野さんがFacebookでboardについてポストしていたのをみて、ビビッときてboardのサイトを見たのがきっかけです。
開発の背景等のコラムやホームページのシンプルさに惹かれて、それでサービスの紹介を見て、これだったら自分でも使えるな、と思って使い始めました。

ビビッときたのは、独立してすぐのときだったので、潜在意識でこういったツールを探していたんだと思います。


3. boardは、会計士さんの業務にもフィットしていますか?

会計士の業務にもフィットすると思います。サイトを見てすぐ申し込みましたし、使い始めてみて直感的に使えると感じました。

会計士・税理士の業務では、スポットの仕事と税務顧問のような毎月継続的な仕事があるのですが、boardは、その両方にフィットするところも合っていますね。また受託開発型のビジネスを展開されている方には、board使うといいよ、とオススメがしやすいです。

boardのfreee連携機能を使っているので、自動的に会計データがfreeeに流れてくるのがとても便利ですし、クライアントとお互いに生産性の低い作業をする必要がなくなったのがいいですよね。
会計事務所は、将来なくなるだろう職業に入っていたりするのですが、会計士、税理士に求められるものは、今、変わってきていると感じています。
boardのように、本業に集中する環境をサポートすること自体も、会計士や税理士の付加価値になっていくのではないか、と思います。


4. 士業の業務は、料金が決まっていて見積りなどはあまり出さないのでは?

金額は決まっていても、やはり半分くらいは見積りを出します。スポットの仕事等では、工数に時間レートをかけて、見積るかたちなので、収益構造は開発の仕事と共通点がありますよ。


5. 会計士さん税理士さんにとって、クラウドサービスは採用しやすいのでしょうか。

士業は、全体的に年齢層が高かったりすることもあって、アーリーアダプタとして新しいものに飛びつく、ということはあまりないですね。それに、会計事務所側は従来型の会計システムを使っているので、新しいクラウドサービスを採用するスイッチングコストが高い、ということもあります。
また、事業としてもこういったクラウドサービスが流行ると、記帳代行などの業務が不要になってしまうので、業界的に昨年まで新しいサービスを無視している感じがしていましたが、今年になって脅威に感じているのか、少したたき始めてきている感じがします。こういったサービスの合理性に業界が気づいた、ということなのかもしれません。
ただ、クライアント側がこういったサービスを使っていると、自分たちもついていかざるを得なくなるので、変わっていくと思います。
会計事務所としての価値の出し方も、テクノロジーとともに変わってくると思いますので。


6. boardとfreeeの連携を具体的にどのように活用されていますか。利用メリットについても教えてください。

freeeにも、請求書作成機能もありますが、そのうえでboardを使うメリットは、
・案件ステータスの管理ができる
・予算を作って売上の見込みがわかる
・請求書の作成、メール発送が簡単
ということですね。

boardとfreeeの連携は待ち望んでいましたし、予想もしていました。

boardは売上の見積りから請求までの各種書類の発行やバックオフィス業務の管理に、日常的に使います。会計システムのfreeeは自動的に口座の情報を吸い上げてくれるので、それと確定した売上や経費のデータを正確に記録するために使います。この2つが自動連携しているので、それぞれの特長をそのまま活用できて、かつ業務がつながるのがいいですよね。

いつも通りboardを使っているだけで自動的にfreeeにデータ計上されるので、これを使うと請求書の作成、メール発送、会計システムへの売上の計上という一連の作業がありえないくらい早く終わります。

実は先日、実際どれくらいかかるか計ってみたら、50秒で終わったんです。

それで、同業者に請求書の作成、発送、会計システムへの売上計上に、通常どれくらい時間がかかるか聞いてみたら、一通30分かかると言っていましたね。たしかに、テンプレートを呼び出して入力してプリントアウトして封筒に入れて送る、会計システムにエントリーして伝票として入力、と考えると、それくらいかかりますよね。
これを使うと50秒で終るよ、と伝えたら、とてもびっくりしていました。


7. boardへの要望などありましたら教えて下さい。

1. 源泉徴収額を控除しているので、請求額自体が売上になってしまう点は改善してほしいですね。それはfreee側で調整するところかな、とも思いますが、システム対応していただけたら、完全自動になりますね。

2. 細かいことですが、売上計上のタイミングは、請求書を送ったときではなく、納品書・検収書基準であげるものなので、その調整が出来たらなと思います。boardにはステータス管理が出来るので、データ的にはできますよね?

(田向:はい。出来ます。売上計上は「納品基準」が一般的だと思うので、実は、freeeへの連携は「納品済になったタイミング」というのは最初から気づいていたのですが、納品ステータスを使わないユーザーも多いので、必ず使う「請求済」にしました。)

3. boardで入金管理ができると、すごいな、と思います。今はboardの情報をfreeeに流す、という一方通行なんですが、freeeは銀行の入金データを吸い上げられるので、それをboardに反映できたら、本当の連携になりますよね。これができると、記帳代行どころか請求書発送、入金確認、督促まで、システム的には、できますよね?

(田向:そうですね。当初からその構想はあるのですが、現状、freee側で入金済みになったデータを取得するためのAPIがないためで、freeeさんに要望を出しています。)

これができると、請求書の発行、記帳代行、入金管理まで全部できますもんね。

(田向:それをめざしています。)

4. 現状、請求額全部が売上になってしまうので、司法書士さんなど法律系の仕事だとよく発生する立て替えについて、計上の調整ができるといいですね。

5. クライアントさん別のアカウントを管理できる、コンサルタントや税理士用の親アカウント設定ができるといいですね。

6. 今ダッシュボードで見えるグラフが、受注済みと受注確定だけなのですが、ダッシュボードでも予算や、見込みが低いのも表示させられたらな、と思います。これは、売上分析のところで見えるものではあるのですが。。

(田向:ユーザーさんによって、ダッシュボードの使い方は違うので、ダッシュボードをユーザーが自由に構成できるようにしたい、と考えています。)


8. 今後の事業の展望を教えて下さい。

会計分野だけでなく、企業の立ち上げ、からバックオフィスの業務プロセス全体の改善までやっていきたいです。私はこういった仕事をしているので、バックオフィス業務が苦手な訳ではないのですが、バックオフィス業務が得意じゃないながらも、その業務を持ち続けてしまう経営者も多いと思います。

そういった「やりたくないけれど、やらないと」という部分の解消は、経営者の方がやりたいこと、得意なこと、生産性の高い業務に集中できる時間をつくれるように、いかにサポートするか、という僕たちが付加価値を提供できるところだと考えています。

今、自分で使っていますが、販売系はboard、会計や給与はfreee、経費はSTREAMEDを使うと、ほぼバックオフィス業務が完結しますよね。時代の恩恵を受けながら仕事ができているな、と感じていますが、そういった一連のシステムを同じ士業やクライアント様に紹介したいです。

会計事務所へのニーズは、そもそも会計業務をやりたくない、自社でやったものだと不安なので確認してほしい、というところから、事業や企業の将来設計の相談まであります。
僕は、後者の部分が、専門家として付加価値が出せるところだと考えますので、そのためにも会計情報等の素材は必要です。今は、その情報を安価で生産性高くクライアントと共有できる時代ですので、その環境を活かしながら、専門家としての付加価値をより発揮していきたいと思います。

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