課題
- 経営者としての業務で忙しい中、Excelで自ら請求書を作ることが大きな負担になっていた
- 事業の拡大と取引先の増加に伴い、請求書のフォーマットや送付ルールも増えてしまい、管理が煩雑になっていた
- boardを利用し始めた後も、社内で使い方が統一されず属人化が進んでしまったため、board本来の良さを活かせていなかった
対策
- 請求書作成ツールをExcelからboardへ切り替える
- 取引先の情報をすべて整理し直し、一元管理できるようにする
- 社内でのboardの使い方をルール化し、周知する
効果
- boardは低コストなので使い始めやすく、自分のペースで業務の改善を進められる
- Excelを使っていた時の負担やストレスが解消され、請求書作成が簡便になった
- 取引先の情報がboardを軸に整理され、業務が効率化された
- インボイス制度や電子帳簿保存法への対応もboardを活用して進められている
ユニークビジョン株式会社は、X(旧Twitter)とLINEを利用して企業がキャンペーンを実施できる「Belugaキャンペーン」を中心に、SNSマーケティングツール「Belugaシリーズ」の企画・開発・運用を行うIT企業です。
日本国内では唯一、1社単独でXとLINEの公式パートナーに認定されており、SNSの普及初期から一貫してソーシャルメディアに関わる事業を手掛けてきた経験を活かして、企業のマーケティング活動を支援しています。
同社では、boardをサービス開始から間もない2015年より8年以上ご利用いただいています。代表自らboardを操作していた頃から、社員数が50名を越えて専任のバックオフィス担当の方が管理をするようになった現在に至るまで、boardの使い方にどのような変化があったのでしょうか。代表取締役社長の白圡(しらと)良之さんと、総務部の嶋田香織さんにお話を伺いました。
※嶋田さんはリモートでインタビューにご参加くださったため、写真撮影は白圡さんにご対応いただきました。
決め手は「使いやすさ」と「コストパフォーマンス」
board導入の背景を教えてください
<白圡さん>
2015年の導入当時は、私がすべての請求書を発行していました。boardを使い始めた目的は、「経営者の手間を減らすこと」でした。
経営者としてはフロント業務が忙しいので、バックオフィス業務はどうしても後回しになりがちです。請求書をどれだけ作っても収益にはなりませんが、請求書を発行しなければお金は入ってきません。ですから、毎月月末になってから「よし、今日こそ請求書を作るぞ」と気合を入れて作っていました。
それ以前はExcelを使って請求書を作成していましたが、毎回ファイルをコピーしたり、ちょっとしたミスで手戻りが発生したりするのが面倒で、非常に負担を感じていました。
「バックオフィスのために起業したのではない」とはboardのキャッチコピーだそうですが、まさにそのような課題を抱えていたわけです。
boardを選んだ決め手は何でしたか?
<白圡さん>
boardのことは以前から知っていましたが、「請求書が簡単に作れる」という話を思い出して試しに使ってみることにしました。
他のツールを試したこともありましたが、請求書を発行する前にいろいろな設定をしておかなければならず、操作も直感的ではなかったので、導入のメリットが感じられませんでした。それに比べて、boardは作りたい内容を直接登録していける感覚があり、たしかに簡単に請求書を作ることができました。
Excelと比べても、Excelは基本的にファイル単位でコピーや変更を行っていくのがもどかしかったのですが、boardはもっと直接的で、使いやすい。それに加えてコストも圧倒的に安かったので、それ以上は他を検討する必要もないと思い、本格的に使うことに決めました。
取引先の情報を整理してboardに集約。運用ルール定めて属人化を解消
その後、嶋田さんが請求書発行を担当されるようになった経緯を教えてください
<嶋田さん>
私は元々フロント側のサポート職として入社したのですが、少しずつ業務範囲が広がっていく中で請求担当も引き継ぎました。
しかし、引き継いだ当時はマニュアルやルールが整っておらず、ほとんど手探りの状態からのスタートでした。
<白圡さん>
それ以前にも担当者はいたのですが、boardの使い方も取引先の情報などもあまり整理できていなかったので、基礎的な部分から1つ1つ見直してもらいました。
<嶋田さん>
現在の役割分担としては、経営サイドは売上見込みや実績などの確認がメインで、私は見積書・納品書・請求書の発行などを主に担当しています。
具体的にどのような課題がありましたか?
<嶋田さん>
請求業務に関する最も大きな課題は、「属人化」でした。
たとえば、当社の取引先は企業規模や業種が多様で、客先が指定する書類のフォーマットや送付方法に従わなければならないケースもあるのですが、これらの情報を知っている人と知らない人がいて、誤ったフォーマットの請求書が作られてしまうことがありました。
boardの使い方についても明確な運用ルールがなく、受注や請求のステータスを管理する際に、どのような状態でどのステータスを使うのかといったことが決まっておらず、各ステータスの意味が人によって違うといったこともありました。
このような属人化の結果、boardが元々想定している使い方になっておらず、board本来の良さを出せていない、効果的に使えていない状況だったと思います。「うまく使えばもっと楽になるはずなのに」という思いがありました。
使い始めの時期であればまた違うかもしれないのですが、ある程度長く使う中でそういった運用が定着してしまっていたからこそ、しっかりとしたルール作りとデータの整理が必要でした。
<白圡さん>
当社では、仕様書と納品内容が合っているかを確認する「最終確認」という工程があり、その部分が合っていれば請求する金額を誤ることはなかったので、途中の工程についてはあまり重視されてこなかったという経緯もあります。
<嶋田さん>
とくに最近はインボイス制度の開始や電子帳簿保存法改定の影響で、請求に関する営業担当者の管理負荷も増えていましたので、なんとか改善しなければならない状況でした。
改善をどのように進めていきましたか?
<嶋田さん>
まずは、取引先に関する情報を整理することから始めました。
請求書のフォーマットや送付方法、請求に関する問い合わせ先の窓口など、基本的な情報を1件1件確認し、半年ほどかけて整理しました。
整理した内容は顧客情報の「備考」や「タグ」機能を使って集約し、営業担当者も確認しやすいようにしました。あとは本来の用途ではないと思うのですが、「備考」「タグ」のどちらにも合わない内容は「顧客番号」で代用しています。
また、情報整理の進捗に合わせて、請求業務のルールを決めて周知しました。たとえば、請求方法に応じた申請ルールや、boardの請求ステータスを更新する条件・期限などです。
営業チームのトップとも擦り合わせながらルールを作り、トップから各リーダーへ、各リーダーから各メンバーへと展開してもらいました。
これによりデータが整理され、業務に必要な情報をboard上ですぐに確認できるようになりました。また、ステータスも実態と合った状態になるので、データの信頼性が向上したことで混乱がなくなり、確認の手間も軽減されました。
その他、ルールを定めるだけでなく、毎月期限のタイミングで社内のメンバーにリマインドをして、適切な運用が維持されるように気を配っています。
引き継ぎ前は、月末月初は夜遅くまで請求対応をすることが常でしたが、boardが適切に運用できるようになってからは、経理外の業務量が増えたのにもかかわらず時短メンバーで適切に運用できるようになりました。請求書の発行だけでなく、未入金の対応などもスムーズに実施できています。
<白圡さん>
メンバーに粘り強く働きかけてくれたおかげで、嶋田さんが担当になってから社内全体の業務がかなり改善されたと感じています。社内アンケートでも嶋田さんの評価はとても高いです。
<嶋田さん>
現場の皆さんは本当に忙しいので、どうしても細かいルールを覚えきれないこともあります。それでもある程度踏み込んで、こういうふうにしてほしいと伝えないと他の方が使いづらくなってしまうので、会社の業務全体が良くなるようにと思って伝えるようにしています。
わずらわしいと思われることもあるかもしれないのですが、そのように評価してもらえるのはありがたいですね。
boardのお勧めポイントはどのようなところですか?
<嶋田さん>
boardは低コストで手軽に導入できるのが良いところだと思います。請求書作成や案件管理のツールを初めて導入するという人にとっても、とりあえず始めてみるまでのハードルが低いと思います。
また、マニュアルが充実していてサポートの回答も早いので、わからないことがあっても自分で調べながら使っていくことができます。
実は、私はこれまでバックオフィスの経験はほとんどありませんでした。それでも、請求担当になって多種多様な情報やルールを整備しながら現在まで運用できているのは、boardの使いやすさがあったからだと思います。
boardなら、専門的な知識や十分な経験がなくても、自分のペースで少しずつ改善を進めていけます。「自分でどんどん調べて業務を改善していきたい」という人にお勧めです。
<白圡さん>
最初の方でも話したことですが、やはり直感的でわかりやすいところが良いと思います。うちのエンジニアにも、「このUI、使いやすいよ」とboardの画面を見せることがあります。その上料金も安いですから、文句なしですね。
請求や案件管理で悩んでいる人にはboardをよくお勧めしていますよ。
boardへの要望があればお聞かせください
<嶋田さん>
先ほど、「顧客番号」を本来とは別の用途で使用していると話しましたが、現在の項目ではどこにも属さないような取引先の情報を管理できる場所があれば、と思います。
それから、今は取引先への書類送付方法が「メール」か「郵送」で、メールの場合は「ダウンロード」または「添付」を選べるという仕組みになっていますが、とくにインボイス制度が始まってから、メールや郵送以外のいろいろなシステムや送付方式を依頼されることが増えているので、その選択肢だけだと間に合っていないんですね。現在はそういうケースで「顧客番号」の項目やタグなどを使用しているのですが、自分で独自の送付方法を作成できるなど、柔軟に対応できるようになれば良いなと思っています。
さらなる事業の拡大を見据えて
今後、boardをどのように活用していきたいですか?
<嶋田さん>
先日、外部ストレージの連携機能がリリースされましたが、これは電子帳簿保存法への対応という点でもずっと待ちわびていた機能でした。他にも、そういった制度の変化に対応しながら新しい機能がどんどんリリースされているので、まだ知らない機能が沢山あると思っています。
やはり現場としては、営業チームの忙しさを最小限にすることで会社全体の負荷も下げていけると思うので、まだ十分に使っていない機能を活用していく中で、皆の忙しさを軽減して本来の業務に集中できるようにしていきたいです。
<白圡さん>
経営者としては、これからも事業のさらなる成長を目指していきます。
boardのメインターゲットはあくまで中小企業ということですから、大企業としてそのまま使うことはできないと思いますが、たとえば事業部単位で10アカウントぐらい契約できるような大きな会社にしていけたらと思っています。
boardと当社で、どちらがより大きく成長するか競争しましょう。