請求書・見積書をクラウドでかんたん作成。販売管理まで効率化できる「board」

請求書の作成時間が半分以下に。業務の仕組み化で効率化を進める会計事務所のboard活用

請求書の作成時間が半分以下に。業務の仕組み化で効率化を進める会計事務所のboard活用

事例サマリー

事例のポイント

  • 請求書の作成時間が従来の半分以下に
  • 約1年間の並行運用とメンバーへの丁寧な周知を経て、システム移行を着実に完了
  • boardにデータを集約し、売上の早期可視化と予実管理の実現へ

課題

  • 以前使用していた請求書ツールでは、書類の修正や詳細の記載が困難だった
  • 一部の請求書はExcel、見積書はWordなど、ツールが分散してデータを一元管理できなかった
  • 売上が翌月半ばまで確定しないため、スタッフに対してタイムリーなフィードバックができなかった

対策

  • シンプルで低コスト、かつ外部連携性の高い請求管理システムの導入

効果

  • 「書類テンプレート機能」等の活用により、請求書の作成時間が従来の半分以下に
  • 繁忙期の負担が大幅に軽減され、書類の修正や再発行も容易に
  • 月初段階での売上の可視化に向け、boardを活用した予実管理に着手
boardを活用している領域:営業管理・請求管理・見積作成・売上見込・経営分析

いっしょに税理士法人新しいタブで開くは、税務顧問をはじめ、資金調達支援や経理DXなど、中小企業が抱えるさまざまな課題に対応する税理士法人です。2025年にboardを導入後、約1年間の並行運用を経て、2026年から本格的なご利用を開始されました。

代表社員の上田智雄様、経理・総務全般を担当する岡田様、ITシステム導入を担当する高井様に、boardを導入した背景から現在の活用状況、今後の展望についてお話を伺いました。

「仕組みと分業化」を推進する会計事務所が直面していた、旧システムの課題

貴所の事業内容や組織の特徴を教えてください。

上田様:

弊所では、社内フィロソフィーの1つとして、「従業員の物心両面の幸福の追求」を重視しています。ビジネスとして利益を上げたり、社会に貢献したりすることももちろん重要ですが、根本的には、働いているメンバーの心の充実が最も大切だと思っています。

これを実現するための取り組みとして、ここ数年は「仕組みと分業化」を経営の柱に掲げて、各メンバーが専門領域を持ちながら、横断的に動ける体制づくりを進めています。その一環として、請求業務をはじめとするバックオフィスの整備にも力を入れてきました。

岡田様:

私は長年会計事務所で働いてきましたが、前の事務所では何でも紙に印刷してファイルに綴じる文化でしたので、この事務所に入ったときは驚きました。基本的に紙には印刷しない方針で、書類はすべてPDFなどのデータで管理しています。

現在は請求書の発行から給与管理、スタッフの勤務時間のチェックまで、総務・経理業務全般を担当しています。

高井様:

私はPCやシステムの導入を担当するところからスタートしましたが、最近では経営の理念づくりにも関わるようになりました。

boardの導入前は、どのようなシステムで請求業務を行っていましたか?

上田様:

以前は、主に会計ソフトに付属している請求ツールを使っていました。一部、分割して請求する必要がある場合は表計算ソフトを使って、見積書はワープロソフトを使うといったかたちで、用途に応じて複数のツールを併用していました。

会計事務所向けのシステムは、セキュリティー面が非常に堅固に作られています。以前に使用していたツールも、さまざまなリテラシーの人が使用しても問題がないように安全性を優先した設計になっていました。

その反面、利便性の面では課題も多く、たとえばシステム内のデータを外に出力しづらいという問題がありました。必要なデータを十分に取り出せないので、他のシステムとの連携も難しい状況でした。

請求業務の実務では、具体的にどのような苦労がありましたか?

岡田様:

一番困っていたのは、請求書の摘要欄の文字数制限です。本来は「何月分の記帳代行料、仕訳いくつ分」といった詳細を記載したいのですが、記入できる文字数が非常に少ないので、入りきりません。仕方なく半角文字にして詰め込んだり、「書類代」のように大まかに記載したりしてしのいでいましたが、それでも対応できない場合は、付箋に手書きして請求書に貼り付け、そのまま郵送したこともあります。

また、月をまたいでしまうと請求書の訂正ができなくなるのも大きな悩みでした。修正するには一旦取り消しの請求書を作成して、翌月に新たに作り直す必要がありました。

上田様:

経営管理の面でも課題がありました。先ほど申し上げたとおり、データを取り出しづらいシステムでしたので、前月の売上データを集計するのに翌月15日頃までかかっていました。

弊所では、各メンバーが自分の貢献を実感できることを大切にしています。売上は、それを測る上でわかりやすい指標の1つです。しかし、そのデータが翌月の後半にならないと出揃わないとなると、フィードバックまでの時間が空きすぎて、意味を成さなくなってしまいます。ですから、前月の結果が月初にはわかる状態を作りたいと考えていました。

非エンジニアでも使えるシンプルさが決め手に。十分な検証期間を経て完全移行

boardを導入する決め手になったのはどのような点でしたか?

上田様:

boardの存在は以前から知っていました。ただ、正直なところ、見積書や請求書の発行というのは非常に基礎的な機能ですから、「どのサービスもそう変わらないだろう」と思い、積極的には検討していませんでした。

しかし、boardについて詳しく話を聞く機会があり、これを使えば、自分たちがやりたいと考えていた「業務の整理整頓」や「見積もりから請求までのデータの一元管理」を実現できるのではないかと感じるようになりました。

選定の決め手は、大きく3つあります。

1つ目は、覚えるまでの手間が少なく、簡単に使いはじめられることです。いろいろなソフトを見てきましたが、覚えるまでに時間がかかるものも多い中で、boardは比較的簡単に使えそうだと感じました。

2つ目は、低価格で使えること。 営業コストがソフトウェア価格に転嫁されているサービスもある中で、boardは機能の豊富さに対して非常にリーズナブルでした。

そして3つ目は、先ほど述べたとおり、自分たちがやりたいことをboardで実現できそうだったからです。

インタビューイー上田様の写真

いっしょに税理士法人 代表社員 上田様

boardへの切り替えで苦労された点はありましたか?

上田様:

切り替えには大きく分けて2つの苦労がありました。1つはデータの移行と検証、もう1つは社内の合意形成です。

データ移行については、まず私が以前のシステムからCSVデータを書き出して、boardに一括で取り込みました。ただ、これだけでは以前のシステムとの間で齟齬があったので、数値が一致するまで岡田さんに細かく確認してもらいました。

また、この移行に伴って、請求先や振込先の誤りといった大きなミスが起きないようにすることも意識していました。

そこで、従来のシステムとboardを1年ほど並行運用して、齟齬がないことを慎重に検証した上で、今年(2026年)からboardに完全移行しました。

社内への説明はどのように進められましたか?

上田様:

現場のメンバーからすると、会計ソフトに付属している請求書ツールなら追加費用は不要で使えるわけですから、「なぜわざわざコストをかけてまで切り替えるのか」という疑問を感じる可能性はありました。

ですから、メンバーの立場に応じて、丁寧に説明するよう心がけました。共同経営者には「売上分析やAPI連携で、こういうことが実現できる」という将来像を伝え、現場のスタッフには「印刷や郵送の手間がなくなり、手作業を大幅に減らせる」という実務的なメリットを伝えました。

請求書のフォーマットが変われば、顧客からの問い合わせが発生する可能性もあります。そういった面でもスタッフが不安を感じないように、一つひとつ丁寧に説明して理解を得ていきました。

岡田さんは、実際に切り替えを経験されていかがでしたか?

岡田様:

私はそこまでパソコンに詳しくないので、正直に申し上げると、新しいシステムへの切り替えには不安がありました。切り替えた直後の時点では、使い慣れたシステムの方が操作が速く、気持ちの面でも楽だと感じていました。

ただ、boardに替わったことで、作業そのものは確実に減りました。 あとは自分がboardを使いこなせるようになるだけだと思っています。

定期請求とスポット請求の両面で活用。請求書の作成時間を従来の半分以下に

boardを導入して、どのような効果がありましたか?

岡田様:

最も大きな変化は、請求書作成のスピードだと思います。請求書に記載する内容は、毎月の顧問料や単発の確定申告など案件によって異なりますが、項目自体はほぼ決まっています。boardでは、こうした定型の内容を「書類テンプレート」としてあらかじめ登録できるので、お客様ごとに必要なテンプレートを選んで、あとは金額を入れるだけで請求書が完成します。

以前は、何十社分という請求書を毎回ゼロから入力しなければなりませんでした。定型の内容でも、同じ文言を何回も入力する必要があったのです。

boardに切り替えて、以前は1枚あたり5分程度かかっていた作成時間が1〜2分に短縮されました。 文言を一から考える必要がなくなったので、精神的にもずいぶん楽になりました。

確定申告のシーズンなど、請求書の発行が集中する時期はいかがですか?

岡田様:

ちょうど今(2026年3月)、確定申告の請求書を作成しているのですが、以前なら「大量の請求書を早く作らなければ」と負担を感じる時期でした。

でも今は、必要な文言をすべて書類テンプレートに登録してありますので、本当に楽に対応できています。間違いがあった場合の修正も、以前とは比べものにならないほど簡単です。

また、引き落としが失敗した際の再発行作業も大きく変わりました。以前は表計算ソフトで請求書を作り直して、顧問先のメールアドレスを探して、何か行き違いがあれば、お詫び文も都度手入力してメールを送っていました。

boardでは、案件ごとにメールの送付先や送付状がまとまっているので、請求書の作成からメール送付まで、ひと続きの作業で処理できます。別のツールで送付状を作ったり、宛先を間違えてセットしないよう注意したりする手間がなくなったので、負担がだいぶ減りました。

経営管理の面ではどのように活用されていますか?

上田様:

正直に言うと、まだ何かを実現したというよりは、道筋が見えてきたかなというぐらいです。現在は、まず月初の段階でその月の売上がおおよそ見通せる状態になるように準備を進めているところです。

以前は表計算ソフトで顧問先ごとの売上を管理しようと試みたこともあったのですが、お客様が増えるにつれて管理しきれなくなり、諦めていました。しかし、boardにデータを集約することで、思い描いていた売上管理と予実管理を実現できる見通しが立ったので、大きな前進だと思います。

boardと共に、AI時代にも対応できる組織へ

今後、boardをどのように活用していきたいですか?

上田様:

勤怠管理など、他のシステムとの連携を進めていきたいと思っています。boardを導入した当初は、APIを使えることは知っていましたが、活用するためにはエンジニアの手が必要で、私たちには縁のないものだと思っていました。

しかし、AIの進展によって状況は大きく変わりました。AIがAPI連携を通じてさまざまな処理を自動で行えるようになった今、boardのように他システムとの連携がしやすいことは、非常に重要な価値を持つと感じています。

会計の仕事においても、お客様から届いた紙の資料を手入力するような定型業務は、遠からずAIに置き換えられていくと考えています。

ただ、それは人がいらなくなるということではありません。AIによって一人ひとりの能力が何十倍にも拡大し、本来やるべき仕事、すなわち会計の本質的な判断や、お客様への提案、コミュニケーションに集中できるようになる。 そう考えると、会計業界にとって、AIの進展はむしろ歓迎すべきことです。

弊所のメンバー全員がそうした業務に移行できるよう、理念の浸透やシステムの設計、社内コミュニケーションの方法も含めて、組織全体を変えていく方向で動いています。boardはその変革を支える基盤として、今後ますます重要な役割を担っていくと期待しています。

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