
事例のポイント
- Excel管理からの脱却と案件の一元管理
- 直感的な操作性による導入・定着のしやすさ
- 業務効率化と社員の意識向上への貢献
課題
- 見積書のフォーマットが担当者ごとにバラバラで、管理が属人化していた
- 代表が一人で、見積もりから請求管理、入金確認までを行っており、会社のお金に関する情報が集中していた
- 年間数百件もの案件を扱う中で、案件管理に苦労していた
対策
- 見積もり・請求管理を一元化できるシステムの導入
効果
- 社員全員で進捗や経営数値を把握できるようになり、円滑な権限委譲や社員の意識向上につながった
- 社員全員が進捗状況を閲覧できるようになったことで、見積書の送付漏れなどの属人的なミスが激減した
- 膨大な案件の一覧化・絞り込みが可能になり、会社全体の状況を直感的に把握できるようになった

株式会社プランテクノ新しいタブで開くは、電気設備工事における設計と積算を専門に手掛ける設計会社です。図面から必要な材料や工数等を算出する「積算」を専門で行える知識や技術を持つ企業は少ないこともあり、年々事業を拡大し続けています。
2019年からboardを活用し、2025年現在で約6年間ご利用いただいています。boardを選択した背景や現在の使い方、その効果などについて、代表取締役の鎌田弘之様にお話を伺いました。
求めていた機能がすべて使えて低価格。コストゼロで社内に定着
boardを導入する前に抱えていた課題について教えてください
会社を設立してからしばらくは、代表である私がすべての見積もりや請求処理を行っていました。しかし、6年ほど前から案件数も増え、事業の拡大とともに社員も増えてきたため、書類の発行は案件を担当する社員にも任せていくようにしました。
しかし、同じ見積書のフォーマットを使っても、書き方のルールは担当者ごとにバラバラになっていました。これを解決するために、Excelのマクロで見積書や請求書を一元管理できる仕組みを作ったのですが、社員にもExcelを使える人と使えない人がいて、根本的な解決策にはなりませんでした。
また、当時は過去の見積書を手軽に見られる環境ではなかったので、同じような内容の見積もりを作るときでも、経験の浅い社員だと相場がわからず、高すぎる見積書を送ってしまうこともありました。このような状況に危機感を覚えたことが、システムの導入を検討した大きな理由のひとつです。
もうひとつ、課題として念頭にあったのは、代表である私が見積もりのチェックから請求管理、入金確認などをすべて一人で行っていたということです。当社では年間200〜300件の案件を扱っているため、それらの見積書がすべて私の手元に集まると、その処理をするだけでも一苦労です。また、会社のお金に関する情報を把握しているのが私だけという状況もあまり望ましくないと思っていました。
私一人ですべてを把握するのは限界がありますし、何より自社の経営状況や数字の動きなどを知ることで、社員に成長してもらいたいという思いがありました。
そこで、年間数百件の案件を一元管理できて、社員たちがその内容を確認しながら見積もりや請求書を作成できるシステムを導入しようと考えました。
boardを導入した決め手を教えてください
求めていたのは、見積書や請求書の発行ができると同時に、案件を一元管理できるシステムでした。
ただ、いろいろと探してみたものの、見つかるのは「案件管理」と「書類作成」をそれぞれ単独で扱っているものか、複数のソフトを組み合わせる必要があるもので、やりたいことを実現できる場合でも、非常に高額になってしまうようでした。
他のサービスでは、見積もりや請求書の発行に対応しているものは多いのですが、同時に数百件もの案件を一覧で管理できるというものは見つかりませんでした。
結局それから半年ほど、資料請求をしたり、実際に試したりしながらイメージに合うものを探していたのですが、なかなかしっくり来るものがなくて困っていた頃にboardを見つけました。試してみたところ、見積書や請求書の発行はもちろん、案件の一元管理もできる。求めていた機能がすべて搭載されているのに低価格という、当社にとって理想的なシステムだったのですぐに導入を決めました。
boardを導入する際に苦労したことはありますか?
導入自体に苦労はありませんでした。直感的に操作できるので、使い方を調べなくても、画面を見ながら触っているうちに大体の操作はできました。もう6年近く活用していますが、チュートリアル動画を見ることもなく使いこなせています。
boardを社内に定着させるためにどのようなステップを踏みましたか?
boardを導入した直後は、社員から使い方に関する質問がいくつかありましたが、すぐに使いこなせるようになりました。
私から使い方を教えることはほとんどなく、社員が自ら触りながら操作を覚えて、いつの間にか社内に定着していました。これは、ユーザーインターフェイスが非常にわかりやすいからだと思います。ですから、導入にあたってのコストはほとんどゼロだと思います。
以前Excelで管理されていた頃とboardに切り替えた後とで、大きく改善されたのはどの部分ですか?
Excelを使っていた頃は、基本的に私が一人で入力していましたが、boardを導入してからは一定のレベルの見積もりを誰でも作成できるようになりました。
また、過去の見積もりにアクセスしやすくなって、類似案件の金額もすぐに検索できるようになったので、「今回だけ通常の金額より高い」といった不均衡な見積もりもなくなりました。
以前に私が作成した見積もりを社員が参考にできるので、社員個人の経験値に依存せず、社内のナレッジを生かせるようになったことは非常に大きな改善だと感じています。
Excelからboardに変えたことで、請求業務や管理業務の手間は削減されましたか?
見積もりをメールで送れるようになったことで、業務の効率が向上しました。Excelを使っていた頃は、作った見積書を印刷して押印し、封筒に入れて郵送する必要がありました。今はboardからお客様に直接メールで見積書を送れるようになったので、作業が迅速化されました。
請求書に関しては、現状ではまだ約4割のお客様が紙での送付を希望されているので、そこまで大きくは変わっていません。しかし、「郵送代行」機能を利用すれば、切手管理などの総務の手間も省けるので、今後さらなる効率化が期待できると考えています。
社員が自発的に営業活動に邁進。boardが生んだ意外な「効果」
boardを導入したことで、社内にどのような変化がもたらされましたか?
現在は主に案件管理、見積もりの作成、請求書発行、入金管理で活用しています。
各リーダーが「メール送信履歴」で見積書の送付履歴を確認できるので、「この案件はまだ見積もりを出していないけど大丈夫か」といったやり取りができるようになりました。
これによって、見積もりの送付漏れや進行の遅滞が減りました。見積もりの送付が遅いと、お客様から「やる気がないのかな」と思われてしまうので、社内でこの部分が改善したのは非常に大きいですね。
案件を検索するときに、検索条件を自由に設定できるのも便利です。
また、社員からは「案件区分はこんなふうに設定した方が管理が楽ですよ」といった提案が出てくるようになりました。案件の種類や特性、規模に応じて案件区分を設定して、検索しやすくなるよう現場が工夫してくれているので、「この規模の案件では、以前の見積もりはいくらだったのか」といったことをすぐに確認できるようになりました。
boardを導入して、一番改善されたことは何でしょうか?
最も改善されたのは、案件の管理と把握です。先ほどお話ししたように、当社では年間数百件の案件が動いているので、案件情報が瞬時に検索できて、内容を一覧で俯瞰できることは非常に重要でした。boardでは、案件の「ステータス管理」機能を使えば、現在どの案件がどの状況にあるのかをひと目で把握できます。
以前はExcelで管理していたので、どの案件の情報がどこで管理されているのかわかりづらく、社内で共有するのも難しかったのですが、今ではすべての案件がboardに集約されており、調べたい案件をすぐに探せます。社内の情報共有も迅速に行われるようになり、この点も大きく改善されました。
また、boardの検索機能ではキーワードを打ち込むたびに候補が絞り込まれていくので、いちいち上下にスクロールしながら目視で探すような手間もありません。画面表示のレスポンスも速いですよね。操作に応じてすぐに表示されるので、助かっています。
boardを使用する中で、他に気に入っている点はありますか?
機能ももちろんなのですが、レイアウトや配色といった全体的な見やすさが気に入っています。
画面上でユーザーの目線がどのように動くのかを熟知したデザインですよね。次にどこをクリックすれば期待どおりに動いてくれるのか、こちらの感覚どおりに設計されているのがわかります。
他のサービスでは、なぜ「確認」ボタンがこの位置にあるのだろうとか、なぜ「OK」ボタンがこんな離れた位置にあるのだろうといった疑問を感じることが少なくありません。しかしboardでは、そういったストレスがまったくありません。
似たようなことで、ブラウザーの「戻る」ボタンを押してもエラーが起きない、ということにも驚いています。他のWeb系のアプリでは、作業の途中で「戻る」ボタンを押すとエラーが出てしまって、最初からまたやり直しということがよく起こります。
たとえば、見積もりの作成中に電話などで作業を中断すると、そのままうっかり別の作業を始めてしまって、ブラウザーを閉じてしまうことがあるのですが、そんなときでも入力途中のデータが残っているので、またすぐに作業に取りかかれます。
こういったことは意識しないと気づかないので、社員は無意識のうちに使っていると思いますが、もし他のソフトを使ったら、間違いなくこういう部分で不満の声が上がると思います。作ったデータが確実に残るというのは、Excelのようなインストール型のソフトの良いところだと思うのですが、それがWebのシステムでも実現しているというのがすごいですね。
board導入後、社員の皆さんの数字に対する意識も向上したと伺いました
はい。売上の推移などが表示されている「ダッシュボード」を社員全員が見られるようにしているのですが、この数字を見て、私が何も言わなくても「今月は少し売上が少ないから、もう少し仕事を取ってこよう」ということを意識するようになりました。ゲーム感覚で、「今月はもう少しチャレンジして売上ミッションを達成しよう」といった会話も生まれています。
まだboardを使ったことがない方に向けて、boardのお勧めポイントを教えてください
とにかく使いやすいところです。そして、社員への導入コストがかからないのも特筆したいですね。導入後、すぐに使いこなして、知らないうちに社内に浸透していくでしょう。
一度導入すると、他のツールには変えられないほど社内に深く根付きます。当社の社員からは「boardでなければ無理です」「変えないでください」と言われているほどです。とくに若い世代は「このソフトはすごく使いやすい」と絶賛しています。感覚的に使いこなせるからなんでしょうね。
当社のような複雑かつ多岐にわたる案件を扱う受託ビジネスの企業には、boardは非常に適したサービスではないかと思います。必要な機能が過不足なく揃っており、ユーザーインターフェイスにも優れ、多数の案件を一元管理できるので、本当にお勧めです。