事例のポイント
- boardとHubSpotを連携し、社内の各部門がコア業務に集中できる環境を整備
- HubSpotにboard側の情報が随時反映されるので、部門間の情報共有が簡便に
- シンプルな運用と役割分担で、請求漏れリスクの防止を実現
課題
- 業務プロセスに属人的な要素が多く、請求漏れのリスクがあった
- 2つのシステム間の連携が不十分だったため、同じ情報を何度も入力したり、確認に手間がかかったりするケースが頻発していた
対策
- boardとHubSpotを連携して、営業・コンサルタントと管理部の役割分担が明確な業務プロセスを構築
効果
- 誰が何をする必要があるのかが明確になり、請求漏れのリスクを低減
- 営業・コンサルタントがコア業務に集中できる環境を実現
- HubSpot・board間のデータの紐付けが明快に
株式会社才流(サイル)は、BtoBビジネスを営む企業を中心に、新規事業開発やマーケティング・営業の課題を解決するコンサルティング会社です。
2018年にboardを導入していただき、現在まで6年間ご利用いただいています。boardの現在の使い方について、2020年からboardの運用を担当している執行役員・管理部門長の中澤康太様とマーケティング・セールスオペレーション担当の小島理恵様にお話を伺いました。
皆がコア業務に集中しながら全体が回る業務プロセスを構築
boardを利用するまでの経緯を教えてください
中澤様:
私は2020年にコンサルタントとして入社したのですが、boardはその時点で社内で使われていました。当時は社内に経理担当者がおらず、請求対象や金額のチェックは、board上で各コンサルタントが行う運用になっていました。
ただ、そのような運用ではいずれ請求漏れが発生しかねないと思いましたので、代表に改善の提案をしたところ、私がboardの運用を担当することになり、それが管理部門長を拝命するきっかけになりました。
小島様:
私は入社前から、業務委託の立場で当社のナレッジを取りまとめるプロジェクトに携わっていました。個人的にITツールを活用することが好きで、そのプロジェクトでもさまざまなITツールを駆使していたことが評価され、2022年にオペレーション部門の正社員として入社しました。
その後しばらくして、boardがHubSpot連携の提供を始めたので、これを活用してリード獲得から商談管理、受注後の請求業務までのプロセスを再構築するプロジェクトを任されました。
HubSpot連携を使用する前はどのような業務プロセスだったのでしょうか
中澤様:
以前はコンサルタントがスプレッドシートに取引先の見積もり情報などを記入して、管理部はその内容を元にboardで請求書を作成・発行していました。
コンサルタントにもboardのユーザーアカウントを配布して、自分自身でboardを使ってもらう方法も考えました。しかし、その場合は全員がboardの使い方を正しく理解していないと、大きなミスにつながる可能性があります。そのため、コンサルタントには使い慣れているスプレッドシートをそのまま使ってもらうようにしました。
ただし、この方法ではスプレッドシートに記載がなければそのまま請求漏れにつながってしまいます。また、コンサルタントはboard側のデータを確認できないので、すでに登録済みの会社情報を何度もスプレッドシートに入力してしまうなどの問題もありました。
私たち管理部のミッションは、「皆がコア業務に集中できること」であり、営業やコンサルタントにとってboardへの記入はコア業務ではありません。そこで、小島さんには各々が自分の業務に集中しながら、全体が滞りなく回る業務プロセスを設計してもらいました。
シンプルなルールと仕組みで請求漏れを防止
業務プロセスの構築にあたってHubSpot連携機能をご利用いただきましたが、変化はありましたか?
小島様:
今回のプロジェクトでは、営業やコンサルタントはHubSpotを使い、管理部はboardを使うというシンプルなルールを作りました。これにより、誰が・どのツールで・何をすべきかが明確になりました。
新規で商談が発生すると、HubSpotで取引作成が行われるように自動化しています。取引が作成されると、board側に「下書き案件」が作成されるので、管理部はこれを元に新しい案件をboardに登録して、見積書や請求書を作成していきます。
営業の担当者はコア業務である営業ログをHubSpotに記録するだけで、必要な情報がboard側(管理部)に連携されます。営業やコンサルタントが他のことに時間を割かなくても、請求漏れが起きづらい環境になりました。
ただし、この仕組みでも、営業がHubSpotのステータス変更を忘れてしまうと、管理部の方で請求が必要な案件の存在に気づけず、請求漏れが発生してしまいます。
そこで、案件の抜け漏れをチェックするために、管理部が当月分の請求内容をboardから出力して、スプレッドシートを作り、コンサルタントに請求漏れがないかどうかスプレッドシート上で確認してもらうようにしました。この工程で漏れが見つかった場合は、管理部がboard側で案件を確認し、あらためて請求書を発行します。
この運用にしてから、「請求が必要な案件はすべてboardに登録されている」という状態になったので、管理が非常に楽になりました。
boardとHubSpotを連携するメリットを教えてください
小島様:
これまでお話ししたとおり、連携機能を使うことで部門間の役割分担が明確になりました。
また、当社の業務に特有の課題も改善されました。才流では同じ顧客から複数のご依頼をいただくことが多く、HubSpot上に似た名前の取引がたくさん存在しています。そのため、以前はどの取引がboard側のどの案件に紐付いているのか、確認に手間がかかっていました。
しかしHubSpot連携で双方を紐付けると、HubSpot側の取引画面でboardとの連携状況を確認したり、その画面からboardの案件に直接アクセスしたりできるので、業務効率が大きく向上しました。
boardのお勧めポイントを教えてください
中澤様:
システムの設計が一貫しているので、どの機能でもすぐに使い方がわかります。初めて使う機能でも、従来の機能から使い方や挙動を予測できるので、操作に違和感がありません。
見積もりや請求の業務は、漏れなく正確に行うことが必要です。boardはそれを低コストで、シンプルに実現できるシステムだと思います。
小島様:
価格が安いシステムは挙動が不安定な印象もありますが、boardは手頃な価格なのにとても安定していて、これまでにシステムがダウンして使えなくなったり、HubSpot連携で不具合が発生したりしたことは一度も経験していません。
しかも多機能なのに、操作がシンプルなので、迷わず使えます。当社のように利用者を絞っている場合はもちろん、多くのスタッフが利用する場合でも、boardなら問題なく活用できると思います。