【課題】SFAを導入していますが、まったく使いこなせていません。その上、費用も高額なので、もっとシンプルで安価なものを探しています。
「SFAをうまく使いこなせていない」というのはよく聞く課題です。
SFAに限らず、どんなシステムでも導入さえすれば成果が上がるということはなく、業務・ニーズにフィットしたシステムを選んだり、業務フローの整理など、うまく使いこなすための準備も不可欠です。
システム選定時のポイント
システムを選定する際、安易に「有名だから」で選んでしまうと、自社の業務や体制に合わず使いこなせない、ということになりかねません。
すべての会社規模・業種にフィットするシステムというのものは存在しませんので、自社に合うかどうかの見極めは非常に大事です。また、学習コストがどの程度か、という見極めも非常に大事になってきます。
とくにシステム部門がない、または特定部署のみ(例:営業部のみ)で導入するケースなど、システム導入に強いメンバーがいない状況下で新たなシステムを導入する場合は、学習コストはかなり重要なポイントになると考えられます。
また、たとえシステムに強いメンバーがいたとしても、学習コストが高いシステム(習熟度が上がるまでに時間がかかるシステム)の場合、相応の時間を割ける必要があります。そういった体制が取れるかどうかもポイントになります。
「使いこなせればすごく成果が出せる」というものであって、使いこなせれば意味がありませんので、そういう観点での検討も忘れずに行いましょう。
SFAを使いこなせていない場合の代替策
システムの切り替えは、それなりの労力がかかりますので、まずは今のシステムで運用できないかの検討はしてみましょう。それが問題点の整理にもなります。その上で、他のシステムに移行するという判断になった場合、以下のような選択肢が考えられます。
なお、いずれのケースにおいても、一度、「要件の整理」をすることをお勧めします。また「今のSFAを使いこなせなかった理由」も合わせて考える方が良いでしょう。とくに「今のSFAを使いこなせなかった理由」は、同じ失敗を繰り返さないためにも、非常に重要なポイントになる部分かと思います。
安価でシンプルな営業管理ツールを使う
現在お使いのSFAが、ハイスペックで高価なものの場合、より安価でシンプルな営業管理ツールを探すという選択肢が考えられます。この場合、当然できることは限られますので、それでニーズを満たせるかどうか、業務が回るかどうかを確認しましょう。
また、シンプルな営業管理ツールに合わせられるよう、業務を見直すこともセットで行うと効果的です。
boardのような簡易的な営業管理機能があるシステムを使う
boardは、営業管理ツールではありませんが、見積書や請求書などの書類作成を軸に、簡易的な営業管理ができるようになっています。
参考:営業管理ツール(SFA・CRM)だとオーバースペックな場合にちょうどいいboardを使った営業管理(中小企業向け)
SFAのように高度な営業管理機能を必要としないものの、簡易的には営業状況や見込みを把握していきたいという場合、boardはそういったニーズに合わせて設計されています。
「SFAを使うこと」が目的ではなく、「営業状況の管理や見込みの把握」が目的かと思いますので、「SFA」というジャンルにこだわらず、「目的を達成できるもの」という視点で考えるのも1つの選択肢です。
機能比較の○×で選定しない
システムを選定する際、機能有無の○×を並べて比較検討することがよくあるかと思いますが、これは基本的には避けるべきと考えられます。
同じ機能名でも、その仕様や使い勝手、ターゲットとしているビジネスモデルや規模などは様々です。そのため、「その機能があれば自社でも使える」というほど単純ではなく、しっかりと内容を確認する必要があります。また、「○が多いもの = 良いシステム」というわけではなく、機能があるだけで、使い勝手が悪かったり、実務を想定していないような仕様だったりすることもあります。
機能の○×は、明らかに必須要件をカバーしていないものを除外する程度にとどめ、あとは実際にトライアルして、自社に合ったものを見つけていくことが、失敗しないシステム選定のためには重要なポイントになってきます。
まとめ
SFAに限った話ではないですが、システムを使いこなせない、導入成果が出せないという場合、その要因はいくつかあります。
たとえば、
- 業務内容や会社規模とフィットしていない
- 仕様を理解して導入を推進する人がいない
- システム導入以前の業務のやり方を無理やり維持しようとしている
などがあります。
システムは、導入さえすれば成果が上がるような魔法のツールではありませんし、1つのシステムがあらゆる会社規模・業種をカバーできるものでもありません。同じ機能名でもその設計思想は様々ですので、単純な機能有無の○×による比較ではなく、自社の要件の整理をしっかり行った上で、検討するのが良いかと思います。