boardから「クラウド会計ソフトfreee」へ自動的に売上・費用のデータを連携できるようになりました。
boardは、受託ビジネスに最適化された業務システムで、そこで発生するデータは、最終的に売上・費用などの会計データとなります。会計システムへの記帳は、別途手動で行うか、税理士さん等の記帳代行を依頼しているケースが多いのではないでしょうか。
この会計システムへのデータ登録を自動的に行うことができるようになりました。
*freeeへ連携するためには、別途freeeのアカウントが必要となります。
今回の連携の最大の特長は、ユーザーが特別な操作を行うことなく、これまで通りboard上で日常の業務を行うだけで自動的にfreeeに会計データが計上されること。
また、業務に合わせて柔軟な連携設定が可能になっていることも実務上、非常に大事なポイントです。
連携を有効にする
まず、freeeのアカウントをお持ちではない方は、freeeのアカウントを作成してください。また、連携を有効するにあたって、同じブラウザー内でfreeeにログインしておいてください。
連携の設定は、「設定メニュー」の「外部サービス連携」で設定することができます。
「外部サービス連携」画面にて、「freeeと連携」ボタンをクリックします。
「freeeと連携」ボタンをクリックすると、下図のようにfreeeの画面へ遷移し、連携を許可するか聞かれるので、「許可する」を選択してください。(freeeにログインしていない状態の場合はログイン画面が出るのでログインしてください)
「許可する」をクリックすると、boardの画面に戻ってきて、下記のようになります。これで連携が有効になりました。
「設定」では後述する連携内容のカスタマイズができます。「連携履歴」では、連携した履歴を見ることができ、連携エラーとなった場合のエラー内容も確認することができます。
業務に合わせて連携内容をカスタマイズ
連携を有効にしただけでも自動的に連携できる状態になっています。しかし、単にデータだけ連携し、その後、会計システム側で修正が多く発生してしまっては意味がありません。そこで、できるだけ必要な形で連携できるように、連携内容をカスタマイズできるようになっています。
<共通設定>
freeeでは、1つのアカウントで複数の事業所を設定することができます。そのため、デフォルトでは最初の事業所が自動的に設定されていますが、他の事業所に切り替えることも可能です。
また、「取引先の連携」の有無を設定することができます。(デフォルトはOFF)
これをONにすると、boardの顧客・発注先をfreeeの取引先として連携し、売上・費用の仕訳はその取引先と紐付いた形で連携されます。
会計システムにおいて、取引先別の売掛残高・買掛残高など、非常に重要なレポートで使用される情報ですので、ONにしてお使いいただくことをお勧めします。
なお、取引先の連携は、「名称」でマッチングし、同じ名称が存在しない場合に新規に登録します。そのため、表記ゆれなどに注意してください。
また、freee側での取引先の登録で、「株式会社」付きで登録しているかどうかによって、board上でのマッチング対象の項目が変わるため、「取引先連携項目」として「正式名称」か「略称」を選択することができます。
<案件(売上)設定>
案件の連携有無及び税区分を設定することができます。
案件の場合、連携対象となる勘定科目は「売上高」です。
案件(売上)の連携が不要な場合はOFFにしてください。
税区分は、freee側の税区分として何を登録するか、という設定です。何も設定しなければ「課税売上8%」として連携します。ほとんどの場合は何もする必要はないかと思います。
<発注(支払)設定>
売上と異なり、発注の場合は勘定科目が自動的に確定するとは限りません。
未設定の状態だと「外注費」として連携しますが、発注区分ごとに、連携対象の勘定科目を設定することが可能です。
連携するタイミング
freeeへのデータの連携は、「連携する」というボタンあってわざわざ手動で連携するのではなく、これまで通り業務を行っていれば自動的に連携されるようになっています。
■売上の連携
請求一覧で請求ステータスを「請求済」に変更したタイミングで、自動的に売掛金として連携されます。
■費用の連携
支払一覧で支払ステータスを「請求書受領済」に変更したタイミングで、自動的に未払費用として連携されます。
なお、2重送信しないように、一度連携が完了したデータは再度「請求済」や「請求書受領済」にしても連携はされません。
非同期での連携
システム的な仕組みの話になりますが、boardでは、外部サービスとの連携は、外部サービスの状態(メンテナンス中など)で利用できない場合でもboard上の業務に影響がないように、非同期で連携するようになっています。
たとえば、請求一覧で「請求済」とした場合、そのタイミングですぐにデータをfreeeへ送信しているわけではなく、一旦、board内のキューにデータを登録し、「請求済」の処理は完了させます。そのため、たとえばfreeeがメンテナンス中の場合でも、「請求済」にする操作自体は問題なく完了します。
その後、1分以内に、裏で自動的にfreeeへのデータ送信処理を行います。
そのため、最大1分程度のタイムラグがある可能性があります。
エラーおよびエラー時の再送方法
注意事項
・freee側で「年度締め」が行われると、その年度のデータはすべて連携エラーになります。board側で過去のデータを「請求済」にする場合などは注意してください。
・連携設定の画面は、freeeのAPIに接続できない場合は表示されません。freee側がメンテナンスを行っている場合などはしばらく待ってから試してみてください。
・連携を有効にする際、ログイン中のfreeeのアカウントと連携します。そのため、複数のfreeeアカウントを持っている場合は、連携したいアカウントでログインしている状態にしてから連携を有効にしてください。