請求書作成は経理・バックオフィス業務で日常的に発生する作業ですが、手作業のままだと時間と人的コストがかかります。
請求業務は数が増えるほどミスや遅延が発生しやすく、誤請求が起こりやすくなります。手順を標準化し、自動化・半自動化を進めることで、工数削減とリスク低減の両方が期待できます。
本記事では「見積書との連動」「定期請求の活用」「テンプレート化」「過去の請求書のコピー」といった具体的な工夫を中心に、実務で導入しやすい効率化施策と運用上の注意点を解説します。
目次
- 見積書と連動させる(見積書→請求書の一貫管理)
- 定期請求を活用して自動生成する
- よくある内容はテンプレート化する
- 過去の類似の請求をコピーして再利用する
- APIを利用して業務システムと連動
- クラウド請求書サービスを活用する
見積書と連動させる(見積書→請求書の一貫管理)
見積書と請求書を連動させることで、見積書作成時点で確定した内容をそのまま請求書へ反映できます。手入力を減らし、見積書と請求書の整合性を保てるため、ミスや差戻しを大幅に減らせます。
請求書を発行するということは、必ずその前段階に見積もり・受注といったプロセスが存在します。これらをシステム上で行っていることで、そのデータを請求書に反映できるため、手作業を大幅に削減できます。
目指すべき業務のかたちは、見積もり作成→受注管理→請求書発行までが一気通貫でつながっている状態です。これにより、各プロセス間のデータ転記ミスや手戻りを防止できます。
運用上の注意
見積書と請求書の内容が完全に一致する場合は反映するだけで済みますが、請求の時点で内容が変更になっている場合など、必ずしも見積書と請求書が一致しないケースもあります。ただ、そのような場合でも、まったく異なる内容になることはあまりないと思いますので、見積書から請求書へ反映した後、必要に応じて修正を加える運用が現実的です。
定期請求を活用して自動生成する
サブスクリプションや保守料など、毎月・毎年といったかたちで周期的に発生する請求は定期請求機能を使って自動生成しましょう。手作業の発行を削減でき、発行漏れや遅延を防止できます。
とくに繰り返し請求が多い事業の場合は非常に強力な効率化施策となります。
参考:定期請求とは?クラウド請求書に欠かせない請求業務効率化の肝
運用上の注意点
定期請求は、一度登録すれば自動で請求書が生成されるため、登録内容のミスがそのまま繰り返されるリスクがあります。登録時に内容をしっかり確認することが重要です。
よくある内容はテンプレート化する
請求書の内容がある程度パターン化している場合は、請求書の明細・備考をセットでテンプレート化しておくと効率的です。事前に用意されたテンプレートを呼び出して、適宜修正するという流れにすることで、毎回一から作成する手間を省けます。
運用上の注意点
請求書の内容がある程度パターン化されている場合は、テンプレート化は非常に有効です。ただし、派生パターンをたくさん作りすぎると、選びにくくなったり、間違ったテンプレートを選んでしまうリスクもあるため、適切な数に絞ることが重要です。
過去の類似の請求をコピーして再利用する
過去に発行した請求書を検索・コピーして作成すると、類似案件の再発行が一気に楽になります。小さな修正(請求日や数量など)だけで済むため効率的です。
運用上の注意点
過去の類似請求書をコピーして使用する方法は、非常に便利である一方、修正漏れによるミスの温床にもなり得ます。とくに異なる顧客の請求書をコピーする場合、顧客名や請求先情報の修正漏れが起こりやすいため、注意が必要です。
そのため、もし前述の「テンプレート化」で対応できる場合は、そちらを優先するのが安全です。
APIを利用して業務システムと連動
利用しているクラウド請求書サービスがAPIを公開している場合、自社の業務システムから直接データを連携して、請求書を自動生成することが可能です。これにより、手動でのデータ入力を完全に排除し、ヒューマンエラーを防止できます。
APIによる連携は開発が必要になるため、社内にエンジニアがいる場合、または外部の開発会社に依頼できる場合に限ります。
しかし、一度構築すれば、その後の請求書発行業務が大幅に効率化されるため、とくに請求書発行枚数が非常に多いような場合や、元になるデータが別の業務システムに存在する場合などは、長期的には非常に有益な投資となるでしょう。
参考:APIって何?請求書業務でどう使うのかを非エンジニア向けに解説
クラウド請求書サービスを活用する
これらの対策は、エクセルやGoogleスプレッドシートを利用している場合は対策の限界があります。クラウド請求書サービスを利用することで、見積書連動や定期請求、テンプレート化、過去請求のコピーといった機能が標準で備わっていることが多く、効率化が一気に進みます。
とくに、見積書からの請求書への連動は、社内全体の業務効率化としてあるべき姿です。「請求書作成」という単体の作業にとどまらず、見積もり・受注から請求までの一連の流れをシームレスに管理できるようにしていきましょう。
