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請求書発行業務の属人化を防ぐ対策

請求書発行業務が特定の担当者に依存(属人化)すると、急な欠勤や退職時に業務が滞り、他のメンバーの負担増加に繋がったりミスが発生しやすくなります。

本記事では、属人化の原因を整理し、すぐに実行できる「仕組み」「制度」「ツール」の観点から具体的な対策を紹介します。中小企業のように限られた人員で請求業務を運用している方に向けた実務的な内容です。

目次

  1. なぜ請求書発行業務は属人化しやすいのか
  2. 属人化を防ぐ基本の考え方
  3. 具体的な対策(仕組み・制度・ツール別)
  4. よくある質問(FAQ)
  5. まとめ

なぜ請求書発行業務は属人化しやすいのか

請求書発行には、顧客ごとの支払条件確認、金額算出、送付方法の管理、適切なタイミングでの発送、入金消込など複数の判断や作業が含まれます。これらがルール化されておらず、特定の担当者の経験に頼って行われていると、業務のノウハウが個人に蓄積され、属人化が進みます。

また、以下のような要因が重なると属人化が深刻になります。

主な原因

  • 担当者ごとに異なる処理手順が存在する
  • 手作業やエクセル依存が強い
  • ドキュメントやマニュアルが整備されていない
  • 顧客ごとに異なる条件・送付方法などが管理されていない
  • 引継ぎ・教育の時間が確保されていない
  • システム化されていないため操作が個人の裁量に依存する

属人化しやすいケース

各案件の営業や担当者が請求書発行まで行っている場合は、各担当者に分散している状態になるため、「1人しかわからない」というような状況にはなりにくいです。しかし、「経理担当者が1人で請求書の発行業務をすべて行っている」など、特定の担当者に業務が集中している場合は属人化しやすくなります。

1人の担当者に集中した方が、他のメンバーは自分の仕事に集中できるメリットがありますし、業務の習熟度が上がりやすくミスが減るメリットもあります。一方で、その担当者が急に休んだり退職したりした場合に業務が滞るリスクが高まります。

属人化を防ぐ基本の考え方

属人化対策は大きく「標準化(ルール化)」「自動化(システム導入)」「チェック体制」の三つを組み合わせることが重要です。これらをバランス良く設計することで、業務の安定性とスピード、監査耐性を高められます。

参考:業務改善、どこから手を付けるべきか(税理士寄稿記事)

標準化(ルール化)と共有

誰がいつ、何を確認して、どのように処理するかをスケジュール表やフロー図の作成、作業時のチェックリスト化すると属人化を抑制できます。また、業務の進め方やルールをチーム内で共有し、全員が情報にアクセスできるようになっていることも重要です。

自動化(システム導入)

請求書作成・送付・入金消込など繰り返し作業はシステムで自動化・省力化します。クラウド請求書サービスや会計システムとの連携を活用すると、転記ミスや手戻りを減らせます。

複数者チェック(分業と承認)

請求書の承認フローを整備し、作成者以外の担当者が内容を確認・承認する仕組みを導入します。

具体的な対策(仕組み・制度・ツール別)

属人化を防ぐ基本の考え方を踏まえ、以下のような具体的な対策を講じます。

仕組み:業務フローと引継ぎの設計

業務フローの可視化

請求書発行に関わるステップを洗い出し、フロー図にします。取引条件の確認、請求金額の算出(税計算含む)、請求書作成、送付方法(メール/郵送/電子)、送付確認、入金確認、消込までを一貫して整理しましょう。

標準チェックリストの運用

作業内容および確認事項のチェックリストを作成し、発行時に必ずチェックリストに沿った確認を実施します。チェックリストはテンプレート化して、請求担当者が使いやすい場所に置きます(社内共有ドライブやSaaSのナレッジベース)。

属人化してしまう1つの要因として、情報が個人に閉じてしまっていることが挙げられます。情報をオープンにすること、共有することは、属人化防止の第一歩です。ノウハウは個人のものではなく、チームや組織の資産として扱いましょう。

そういった情報が整理・共有されていれば、急な欠勤や退職時にもスムーズに業務を引き継ぐことができます。

制度:責任分離とローテーション

複数担当による分担またはローテーション

長期間同一担当者が一人で請求業務を担当しないよう、担当チームで分担またはローテーションを設けます。常時一定のタスク量があるようであれば、複数担当者で分担するようにしておくのが良いでしょう。

もし業務量が少ない場合は、担当者をローテーションさせるのも1つの方法です。ローテーション頻度は業務量に応じて決めますが、年1回しか行わないことと忘れてしまうので、最低でも年数回の交代を推奨します。

承認ルール

金額や条件によって承認フローを設定します。一定金額以上は上長承認、例外処理は経理責任者の承認を必須にするなど、ルールを明確化します。

ツール:システムとテンプレートの活用

請求書作成・管理システムの導入

クラウド請求書サービスや会計ソフトを導入し、請求書の雛形・送付履歴・入金消込を一元管理します。システム導入は、単に効率化のためだけでなく、システムそのものがレールのような役割を果たします。そのレールの上で業務をすることで、担当者ごとのバラツキを減らし、属人化を防止できます。

参考:【中小企業向け】クラウド請求書サービス完全ガイド|導入メリット・注意点・選び方を徹底解説!

繰り返し請求やテンプレート化

繰り返し請求が発生する場合は、定期請求機能を持つシステムを利用します。また、よくあるパターンをテンプレート化することで、誰が作成しても同じフォーマット・内容になるようにします。

参考:定期請求とは?クラウド請求書に欠かせない請求業務効率化の肝

よくある質問(FAQ)

Q. 少人数な組織でも属人化を防ぐ対策は必要ですか

はい、対策することをお勧めします。少人数の場合ほど、1人欠けたときのインパクトが大きく属人化しやすい傾向があります。体制の二重化は難しくても、システム化やドキュメントに残すといった対策は有効です。

Q. 属人化を防ぐためのシステム導入のポイントを教えてください

システム自体がシンプルに利用でき、ヘルプやサポートの充実したシステムを選ぶことが重要です。カスタマイズ性が高いシステムの場合、自社に合わせた設定が可能な反面、運用が複雑化し、システム部分が属人化してしまいます。

まとめ

請求書発行業務の属人化は、仕組み化・制度設計・ツール導入の組み合わせで着実に改善できます。

まずは現状を可視化し、重要度の高い部分から標準化・自動化を進めてください。継続的なモニタリングと改善を行うことで、業務の属人化リスクを低減し、安定した請求業務を実現できます。

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