請求書・見積書をクラウドでかんたん作成。販売管理まで効率化できる「board」

HubSpot→board→freeeの連携

営業プロセスをデジタル化し、業務を効率化しようとする際に、多くの方は「CRM/SFA」の導入を思い浮かべると思います。しかし、中小企業にとってCRM/SFAの機能は高度すぎたり、不要な機能が多かったりという理由で使いこなせないケースも多く、導入までにかかるリソースやコスト、毎月の利用料などを考えると、費用対効果が決して良いとは言えない場合が少なくありません。

そのような中小企業にとって、“ちょうどいい” 販売管理ソフトとしてboardの有用性を解説する記事をいくつか書いてきました。boardは中小企業の販売管理において必要なものがワンパッケージになっており、ちょっとした初期設定をするだけですぐに使い始められる手軽さが魅力です。

一方で、ユーザーが自由にカスタマイズできる範囲は限られており、たとえば広告や展示会などで大量のリード(見込顧客)管理の必要がある企業にとっては、boardの機能だけでは不十分なケースもあります。

そこで、今回の記事では、boardにリード管理を拡張する際の選択肢のひとつとして「HubSpot連携」をご紹介します。

執筆者:武内 俊介
税理士、業務設計士、リベロ・コンサルティング代表
金融のシステム企画部門、会計事務所、数社のスタートアップのバックオフィスを経て、独立。
既存の業務やシステムの使用方法を徹底的にヒアリングしながら、最適な業務フローとシステムの構成を設計し、業務からシステムまで再構築の実績多数。
業務設計の支援を手がけるリベロ・コンサルティング代表をメインで活動中。
*当記事は寄稿記事です。

リード管理の重要性

広告や展示会、あるいは問い合わせフォームや紹介などを通じて日々集まってくるリード(見込顧客)の情報。売上を伸ばしていくためには、これらの情報をただ蓄積するだけではなく、着実に商談につなげていく仕組みが不可欠です。

リードの中には、すぐに商談に進む相手もいれば、最初は連絡しても反応がなかったものの、数ヶ月〜1年以上後に連絡した際に商談化できる相手もいます。だからこそ「一度接点を持ったら終わり」ではなく、継続的に接触履歴を残しながら関係性を育てていく必要があります。いわゆる「ナーチャリング(育成)」と呼ばれる活動です。

ところが、こうした活動を表計算ソフトで管理しようとすると、すぐに限界が訪れます。表計算ソフトは表を作ったり、数値を計算したりするのには最適ですが、情報を更新し続ける運用にはあまり向いていません。社内で情報が分断されたり、更新漏れが起きたり、対応履歴が属人化してブラックボックス化したりと、結果としてリード管理がうまくいかなくなってしまいます。

リード管理の本質は、「すぐに商談化しない相手との関係をいかに継続し、適切なタイミングで営業アプローチができるか」という点にあります。これを実現するには、顧客の状態に応じた対応履歴の蓄積や、接触頻度・関心度に応じたセグメント管理などが必要です。

そのために活用できるのが、CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援ツール)といった専門ツールです。これらは単なるリストの管理だけでなく、メール配信やアクション履歴、スコアリングなどを通じて、「次の一手」のための判断材料を与えてくれます。近年ではAIを活用したリード・ナーチャリング機能を備えたシステムも増えており、データを蓄積し、適切なアクションを取ることで営業成果の向上にも貢献します。

HubSpot CRMとは:リード管理からナーチャリングまで

HubSpot CRM新しいタブで開くは、見込み顧客との関係を継続的に構築していくための「CRM(顧客管理システム)」で、リード管理やナーチャリングに力を入れたい企業にとって有力な選択肢です。とくに、マーケティングや営業の現場で「まだ商談には至っていないが、将来的に顧客になり得る相手」を管理し、適切なタイミングでアプローチするための機能が充実しています。

代表的な機能(HubSpot CRM+Maketing Hub新しいタブで開く)としては、次のようなものがあります。

  • フォーム作成:Webサイトに設置する問い合わせフォームなどをノーコードで作成できる
  • メール配信:属性や行動履歴に応じたステップメールや一斉配信を送信できる
  • スコアリング:顧客の行動履歴や関心度に応じて点数を付け、優先順位を把握できる
  • アクティビティ履歴:誰が、いつ、どんな接触をしたかを一覧で管理できる

これらの機能によって、単なる「顧客情報の蓄積」ではなく、関係性を育てる「ナーチャリング」を仕組み化することができます。

HubSpot CRMには無料から使えるプランがあり、初期コストを抑えてスモールスタートができるのも魅力です。日本語対応も進んでおり、UIも直感的であるため、専門的な知識がなくても、マーケティングや営業の担当者自身が運用できる設計になっています。

また、Salesforceのような高機能なCRMと比較すると、初期構築や設定の負荷が非常に小さいため、HubSpotは導入のハードルが低く、登録してすぐに使い始めることができます。専任の情シス担当者がいない中小企業でも、現場主導で無理なく運用を始められます。

こうした背景から、リード情報をためるだけでなく、確度の高い案件に育てていきたいと考える企業にとって、HubSpotは心強い選択肢と言えます。

中小企業の請求・受注処理はSales Hubよりもboardが適している理由

HubSpot CRMには、SFA機能を追加する有料モジュールのSales Hub新しいタブで開くがあり、案件情報の管理や営業活動の可視化には非常に優れたツールです。ただし、見積書の発行、受注処理、請求書の発行など、受注後の業務を日常的に行うには、いくつかの課題があります。

まず、Sales Hubの見積書作成機能は、あくまで「営業上の提案書」の延長線上にあります。日本企業で一般的に用いられる形式や運用にフィットしないケースも多く、結果としてExcelで再作成したり、別のツールで作り直すといった手間が発生することがあります。

請求書作成機能も同様で、「請求書作成機能(Invoices Tool)新しいタブで開く」がCommerce Hub内に用意されていますが、これはSales Hubとは別の機能であり、日本の商習慣に合わせた帳票レイアウトや税区分の対応といった点では、運用上のさまざまな課題があります。さらには、会計ソフトの活用や売上処理まで含めた一連の販売管理業務を行うためには、外部ツールとの連携や独自のワークフロー設定が必要になります。これには一定の設定工数や技術的知識が求められるため、中小企業で対応できるケースは限られるでしょう。

これらの観点から、HubSpot CRMを導入する場合は、販売管理領域の機能を補完するツールとしてboardを併用するという方法が考えられます。

boardには見積・受注・請求といった業務をスムーズに処理するための枠組みが用意されており、案件の中で見積書の内容を発注書・請求書に引き継ぐことができます。請求書の書式も豊富に用意されており、適格請求書(インボイス)にも対応済みで、会計ソフトとの連携もスムーズに行えます。

さらにboardは、特別な設定なしに初日から利用を始められる設計になっているため、導入時の負荷が低いのが特徴です。

「リード管理やナーチャリングはHubSpotで」「見積・受注・請求はboardで」という役割分担をすることで、営業から請求までの一連の流れをシンプルかつ効率的に回すことが可能になります。

HubSpot→board→freeeの連携

boardはさまざまな会計ソフトに対して仕訳データをエクスポートすることが可能ですが、freee会計との連携機能では、board側で請求書が「請求済」になると自動的に売上と売掛金が計上される仕様になっており、最も効率が良い連携です。(freee会計とboardの連携については、こちらの記事をご参照ください)

そのため、HubSpot→board→freeeという形で連携することで、リードから見積・請求、そして売上計上や入金管理までを途切れなく連携して管理できます。一般的には、これらの処理は1つのツールで対応するか、同じシリーズで連携した方がスムーズになると考えられていますが、HubSpot、board、freeeの3つのツールは外部ツールとの連携に積極的に対応しており、実務上も支障のないスムーズな連携が可能です。連携の設定も高度な専門知識がなくても対応できる程度の難易度であり、中小企業でも大きな手間をかけることなく、これらのツールを一気に導入することが可能です。

このように、営業から会計に至るまでの情報を1本の流れでつなぐことで、情報の分断や二重入力といったムダを削減でき、業務全体のスピードと精度を高めることができます。

「全部入りの統合パッケージ」を導入しなくても、必要な領域に必要なツールを組み合わせることで、十分に実用的で現実的な業務プロセスを構築できます。

HubSpotでリードを育て、boardで受注・請求を管理し、freeeで会計処理を行う。中小企業にとって無理なく導入・運用できるこの分担こそが、現場の混乱を抑えながら業務効率を高める有力な選択肢と言えるでしょう。

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ユーザーの声

一元的に管理できるようになり、従来の請求業務にかかっていた時間を45%短縮

ビューロ・ネットワーク税理士法人様の事例より

ITが得意ではない人でも使いやすく、すぐに慣れて業務を任せることができた

法律事務所LEACT様の事例より

boardのヘルプページは充実しているので、困ったときにすぐに自己解決できますし、サポートに問い合わせても返信が早く、内容も丁寧かつ的確です

辻・本郷 ITコンサルティング株式会社様の事例より

会計ソフトに付属している請求書機能よりも、boardを使った方が請求・会計の連携がスムーズになると感じています

合同会社プロースト様の事例より