本記事では、請求業務に課題がある中小企業向けに、請求書発行システムのメリットや機能、選び方のポイントを詳しく解説します。また、請求書発行システムの種類を整理し、それぞれの特徴や向いている企業などについても説明します。
目次
- はじめに
- 請求書発行システムとは
- 請求書発行システムのタイプと特性
- 中小企業における導入のメリット
- 導入時に押さえておくべき機能一覧
- 導入前に確認すべきポイント
- 中小企業が導入で直面しやすい課題とその解決策
- まとめ:中小企業が今「請求書発行システム」を選ぶべき理由
はじめに
請求書業務に潜む「見えない負担」
中小企業において、請求書の作成・送付・管理は日常的な業務のひとつです。しかし、実際にこの業務にかかる手間や時間、心理的ストレスは意外に見過ごされがちです。
たとえば、次のような請求業務の課題を抱えていませんか。
- Excelやスプレッドシートで請求書の作成やステータス管理をしており、ミスが発生しやすく何度もチェックを繰り返している。
- 古い請求書ソフトを使用しており、前後の業務との連携が悪く二重入力などの手間が発生している。
こうした作業は少人数の会社やバックオフィスが限られた人員で回している中小企業にとっては無視できない負担となり、「請求業務担当者の残業が増える」「請求ミス・請求漏れが発生する」といった問題の温床になる恐れがあります。
なぜ「請求書発行システム」が必要か
こうした課題を改善する方法として検討されるのが「請求書発行システム」です。
請求書発行システムは、請求書の作成から送付、管理、入金確認までを効率化するツールであり、単なる帳票ソフトとは異なります。近年ではクラウド型が主流になり、インターネット上でどこからでも作業が可能になりました。
さらに、2023年に開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式) や、改正電子帳簿保存法 など、請求業務は法改正への対応も求められています。
請求業務は単なる「帳票作成作業」ではなく、企業の信頼をも左右し、キャッシュフローに直結する重要な業務です。だからこそ、煩雑な作業をITで効率化し、法改正にもスムーズに対応できる仕組みが必要とされています。
この記事の目的と読み進め方
本記事では、そんな請求書発行システムについて、
- どんな機能があるのか
- なぜ導入すべきなのか
- 導入時にどこをチェックすべきか
- 導入後の運用を成功させるコツとは
といった観点から、中小企業の経営者や経理担当者が「選ぶ判断軸」を持てるように情報を網羅的に解説していきます。
とくに、「うちのような小規模事業者には関係ない」「今までのやり方でなんとかなっている」と感じている方にこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
請求書発行システムとは
「請求書発行システム」の概要
「請求書発行システム」とは、請求書の作成・送付・管理・入金確認などの業務をITで効率化・自動化するツールの総称です。クラウド型・インストール型・会計ソフト附属型など様々なタイプがあり、業種・規模・業務フローに応じて柔軟に選べるようになっています。
このシステムを導入することで、たとえば以下のような機能をワンストップで扱えるようになります。
- 統一されたフォーマットでの請求書作成・出力
- 請求書のPDF化とメール送信・郵送
- 定期請求(月額契約など)などの繰り返し発行の効率化
- 請求のステータス管理(未請求・請求済・入金済)
- 顧客・案件ごとの履歴管理や集計機能
- 入金確認と会計ソフトへの連携
これらの機能により、単なる「帳票作成ソフト」ではなく、請求業務のプロセス全体を支援するITツールと位置付けられています。

見積書・請求書作成

メール・郵送で送付

請求漏れ防止

会計連携
Excel・スプレッドシートとの違いとは?
中小企業では、まだまだExcelやスプレッドシートを使った請求書作成が多く残っています。しかし、それには次のような問題があります。
課題 | Excel・スプレッドシート | 請求書発行システム |
---|---|---|
ミスのリスク | 高い(転記・入力漏れ) | 自動入力・テンプレートで低減 |
請求履歴の確認 | 手動・検索しにくい | 顧客・日付・金額で瞬時に検索可能 |
定期請求対応 | 毎月コピペや再作成が必要 | スケジュール登録で自動作成 |
社内共有・引き継ぎ | ローカル保存で属人化 | クラウドでチーム共有が簡単 |
法令対応(インボイス等) | 自力で都度対応 | システム側で対応 |
このように、請求書発行システムは業務の質を保ちつつ効率を高めるツールとして、従来のやり方を大きくアップグレードしてくれる存在です。
まとめ:請求業務の「本質的な改革」が求められる時代に
請求書発行システムは、単なる「便利ツール」ではなく、業務効率化・法令対応・ミス防止・キャッシュフロー改善といった、企業経営に直結する多くの価値を提供します。
とくに中小企業にとって、少人数で回す経理業務の効率化は大きな経営課題です。請求書発行システムは、その課題に対する最適なソリューションの一つです。
【コラム】まだ規模が小さいのでExcelでなんとかなる?
まだ規模が小さいうちは、確かにExcel・スプレッドシートでなんとか回せるケースもあります。しかし、今後の事業拡大を見据えるのであれば、まだ小さいうちに、しっかりと会社運営の基盤を整えておくのをお勧めします。
とはいえ、いきなり大きな絵を描いてもなかなかうまく行きません。実際に運用してみて気づくことも多くあります。
そのため、まずはスモールスタートして、月次の業務を回していく中で改善を繰り返していくことで、自社にあった運用の方法が見えてくるでしょう。
請求書発行システムのタイプと特性
請求書発行システムと一口に言っても、実はその種類や特性は多岐にわたります。自社に合ったシステムを選ぶためには、「何を重視するか」という観点が重要です。
ここでは代表的な4つのタイプに分類し、それぞれの特徴・メリット・デメリットを解説します。
1. 請求書サービス(書類作成特化型)
特徴
- 請求書や見積書・納品書などの帳票を手軽に作成することに特化
- 機能がシンプルで操作に慣れていない人でも使える可能性が高い
- クラウド型が主流で、ブラウザーがあればすぐに使える
メリット
- 操作がシンプルで導入・習熟が早い
- 見積書・請求書発行枚数が1桁の場合は十分なケースも多い
- コストが安く、無料のサービスもある
デメリット
- 書類作成以外の周辺業務・会計との連携は弱い
- 書類の管理性という観点では限界がある
- 請求書発行枚数が増えるにつれて管理が難しくなる可能性がある
向いている企業
- 今後も請求書発行枚数の大幅な増加が見込まれない小規模事業者やフリーランス
- 他の業務管理は別で対応している(または不要)
2. 販売管理システム型(受発注管理起点)
特徴
- 受注管理、納品、売上計上、請求までの一連の流れをトータルで管理
- 案件単位の損益管理なども可能な場合が多い
- 会計ソフトとの連携も強化されていることが多い
メリット
- 見積〜受注〜請求までの業務を一元管理できる
- 業務ごとの二重入力や伝達漏れが減る
- 受発注・請求に関する業務全体の効率化が図れる
デメリット
- 請求書サービスに比べると運用ルールの整備や習得にやや時間が必要
- 無料のケースはほぼなく、月額数千円〜数万円のコストがかかる
- 最小限の書類発行ニーズだけであればオーバースペックになる可能性がある
向いている企業
- 請求書の発行枚数が2桁以上のケース
- 見積〜受注〜請求までの業務を一元管理したい企業
- 企業全体のバックオフィス業務を効率化していきたい企業
boardは、見積書・請求書などの作成機能を土台に周辺業務の効率化を図った、請求書サービスと販売管理システム型のいいとこ取りのシステムです。

またはboardについてより詳しく見る
3. SFA/CRM連携型(営業活動起点)
特徴
- 商談管理や契約締結のプロセスを起点に管理していく
- 案件管理、ステージ進捗、売上予測と連動可能
メリット
- 営業寄りの業務フローに自然に組み込める
- 顧客管理・契約管理と自然につながる
デメリット
- 経理向け機能(会計連携・消込など)は弱い
- 営業部門主導の構成が強く、バックオフィスには使いづらいことがある
向いている企業
- 営業活動を軸に導入を検討している企業
- サブスクリプション型ビジネスなど、継続課金が主軸の企業
board単体ではSFAとしての機能は備えていませんが、HubSpotとの連携機能を提供しており、営業管理から請求書発行までを一気通貫で管理する仕組みを構築できます。
それぞれの得意な部分を活かしつつ、自動連携で営業から後続の業務への受け渡しをスムーズにします。

4. 会計ソフト附属型(会計連携重視)
特徴
- 会計ソフトに付随する請求書発行機能
- 請求データがそのまま仕訳に連携できるのが強み
メリット
- 仕訳の二重入力の手間を削減
- 会計ソフトに附属している場合は追加コストが発生しない、または低コストで利用可能
デメリット
- 会計ソフトのメインの機能ではないため、機能が限定的であることが多い
- 経理担当者以外にはやや扱いづらい
向いている企業
- 経理以外のメンバーは請求書業務に関与しない企業
- 会計ソフトの費用だけでカバーしたいケース
まとめ:自社の業務・課題に合ったタイプを選ぶ
ポイントは「自社が何に課題を感じているかを明確にしたうえでタイプを選ぶ」ことですので、知名度や表面的な機能○×で選ぶのではなく、自社の業務フローや将来の成長を見据えた選定を行うことが重要です。
【コラム】システム選定時の落とし穴
システムを選定する際、いくつかの候補の機能の○×比較表を作成することがよくありますが、表面的な機能有無での判断に陥りがちのため、あまりお勧めできません。
機能名が同じでも、その目的が異なるケースは多々あります。システムは、何かしらの目的・ターゲットを想定した上で設計・開発されていますので、それが自社のニーズとフィットしていなければ、機能に○がついていたとしても、期待した効果は得られません。
また、システムの設計思想によって機能名の表現の違いもあります。
もちろん、最低限必要な機能があることを確認する必要はありますが、大事なのは、自分たちの課題を解決するための実装になっているかという点ですので、表面的な機能の有無で判断せず、気になるサービスはトライアルをして確認しましょう。
中小企業における導入のメリット
請求書発行システムは単なる「便利ツール」ではなく、中小企業の業務効率化・法令対応・経営改善に直結する非常に大事な投資です。この章では、導入によって得られる主なメリットを、実務面・経営面・法務面から整理してご紹介します。
1. 作業効率化と業務時間の削減
従来の請求業務では、Excelやスプレッドシートでの書類作成、PDF変換、メール送信、管理シートへの記入など、多くの工程がありました。請求書発行システムを導入することで、以下のような機能により、毎月の業務時間を大幅に短縮できます。繁忙期や月末月初の負荷軽減にもつながります。
- テンプレートによる請求書作成時の入力補助
- 顧客情報・商品情報の自動入力
- 定期請求機能による請求書の自動生成
- メール一括送信による発送業務の短縮
- 請求状況のリアルタイム把握

顧問先や案件ごとに異なる請求上の要件を一元的に管理できるようになり、従来の請求業務にかかっていた時間を45%短縮
2. ヒューマンエラーの防止
手作業では、以下のようなミスが起こりやすくなります。
- 金額や税率の転記ミス
- 請求先の誤入力
- 二重請求や未請求の見落とし
これらのミスは信頼の損失や回収遅延につながるリスクがあります。システムでは自動計算や過去データの再利用によって、人為的ミスの発生を大幅に抑えることができます。
3. スムーズな法改正対応
インボイス制度や電子帳簿保存法など、法令に準拠した請求書の発行・保存が企業には求められています。請求書発行システムを利用することで、現在の法令対応だけでなく、将来の法改正にもスムーズに対応できます。
4. キャッシュフロー改善への貢献
請求書の発行が遅れたり、送信ミスがあったりすると、入金も遅れてしまいます。請求書発行システムでは以下のような支援が可能です。
- 請求書発行漏れアラートにより請求漏れ防止
- 請求・入金管理機能により回収状況の可視化
5. 会計ソフトとの連携により、会計業務まで効率化
多くの請求書発行システムは、主要なクラウド会計ソフトとのAPI・CSVでの連携が可能です。これにより、以下のような会計処理の省力化も同時に実現可能。経理の入口から出口まで一気通貫の効率化が可能になります。
- 請求書の発行データを仕訳として自動登録
- 月次決算・損益管理の迅速化

会計ソフトに付属している請求書機能よりも、boardを使った方が請求・会計の連携がスムーズになると感じています。
まとめ:小さな投資で大きな成果を得る鍵
中小企業にとって「人員リソース」「時間」「コスト」の制約は避けられません。そんな中で、請求書発行システムは低コストで導入でき、業務全体にわたる効果を生み出すツールです。
ミスを減らし、作業を速くし、法令にも対応できる。 これは「コスト削減」だけでなく、「企業としての信頼性向上」「働きやすい職場環境づくり」にも直結します。
請求書作成・発行業務を効率化し、ミスやトラブルを防ぐためのポイントを分かりやすく解説した
導入時に押さえておくべき機能一覧
請求書発行システムは各社から多様なサービスが提供されていますが、導入時に「何ができるか」ではなく、「自社の業務フローに何が必要か」という視点で機能をチェックすることが重要です。
ここでは、中小企業が導入時に重視すべき主要な機能を具体的にご紹介します。
1. 見積書・納品書との連携機能
請求書を発行する前段階として、見積書・納品書・発注書などの帳票作成が必要な企業は多いです。見積書から納品書・請求書へ反映できる機能があると、転記ミスがなく、業務フローもスムーズです。
2. 請求書の自動作成・定期発行機能
定額サービスや保守契約など、毎月同じ内容の請求が発生する企業では、「定期請求機能」が大きな時短効果を発揮します。
- 毎月○日に自動で請求書を作成
- 毎月・毎年などの繰り返しの間隔も設定可能
ヒューマンエラーによる「請求忘れ」や「遅延」の防止に役立ちます。
3. PDF出力とメール送信・郵送機能
取引先への送付手段として、PDF形式での出力やそのままメールでの送信が可能な機能も必須です。
- ワンクリックで請求書をPDF出力
- 顧客ごとに登録したメールアドレスへ送信
- メールテンプレート設定・CC/BCC対応
- 郵送代行サービス(郵送が必要な場合)
送信履歴や開封確認機能があると、取引先とのトラブル防止にもなります。
4. 入金管理機能
請求業務は、請求書の発行で終わりではなく、「入金されるまで」を含めて1つのプロセスです。以下の機能により、回収遅れの早期発見や督促対応が可能になります。
- 入金済みの記録
- 請求一覧画面でステータスを一目で確認
- 未入金のアラート機能
5. 帳票カスタマイズと自社ロゴ対応
ブランドイメージや業種によっては、請求書の見た目も重要です。以下のカスタマイズ機能があると安心です。
- 自社ロゴや印影の挿入
- コーポレートカラーの設定
- 英語・多通貨請求対応(海外取引ありの場合)
6. セキュリティー・バックアップ対応
顧客情報・金額情報を扱う以上、セキュリティーは最重要項目です。
- データのバックアップ
- 2段階認証
- ユーザーのアクセス権限設定
- 操作履歴のログ保持
- WAFなどのセキュリティー対策ツールの導入有無
- 継続的な脆弱性診断の実施状況
国内データセンターでの保管か・ISMSなどの認証取得があるかもよくあるチェックポイントです。
また、運営会社のセキュリティーに関するスタンスが明確であることも重要です。そういった情報が公開されていないか探してみましょう。
セキュリティーを強化する設定を有効にすると割引になるboardの「セキュリティー割引」
boardでは、2段階認証の必須設定など所定のセキュリティー強化設定を有効にすることで、月額料金が割引になる「セキュリティー割引」を提供しています。
これは、ユーザーの皆さんにセキュリティーを意識してもらうきっかけとなるよう提供しています。
ぜひ、セキュアな設定をした上で、お得に業務効率化を実現してください。
その他:導入前にチェックしたい補足機能
- 会計ソフト連携機能(中小企業向けに利用が多いfreee会計・マネーフォワード クラウド会計・弥生会計・勘定奉行など)
- 部門別/プロジェクト別の請求管理
- CSV出力やデータインポート機能・APIの有無(他システムとの橋渡し)
- スマートフォン・タブレットでの利用(外出先での利用が多い場合)
まとめ:「必要な機能」から逆算した選定が鍵
機能が豊富なシステムが必ずしも「良いシステム」とは限りません。「自社の請求業務にとって何が重要か」を明確にした上で選定することが、後悔しない選定につながります。
【コラム】システムに業務を合わせるか、業務にシステムを合わせるか
ゼロから自社で開発する場合は業務に合わせたシステム設計が可能ですが、非常に多額のコストがかかります。そのため、多くの中小企業においては、既存のシステムを選定することになります。
その際、自社の業務を変えずに要件をすべて満たせるシステムを探すスタンスだと、おそらくうまくいかないでしょう。
システム・製品によって想定している業務・規模・業種などは様々ですが、いずれにせよ、何かしら想定しているシチュエーションがあり、その中でのベストプラクティスを目指して設計されています。
そのため、自社と方向性・思想が近いものを見つけ、その設計に業務を合わせることが、システムをうまく活用するためのポイントです。
導入前に確認すべきポイント
請求書発行システムは非常に多くの選択肢があり、機能もサービスによってさまざまです。「有名だからここにしよう」という感覚で導入すると、自社の業務に合わない・使いづらい・高すぎたといった後悔に繋がることもあります。
ここでは、中小企業が導入を検討する際に必ず押さえておくべき5つのポイントを解説します。
1. 自社の業務フローと合っているか
もっとも重要なのは、「実際の請求業務プロセス」とシステムがフィットするかという点です。
- 営業が請求データを作成 → 経理が承認・送付する、という流れなのか
- 定期請求が多いのか、スポット請求が中心なのか
- 顧客ごとに帳票形式が異なるかどうか
など、日々の運用に照らして「現場が使いやすいか」を見極める必要があります。可能であれば、無料トライアルやデモで実際に操作してみることをお勧めします。
2. 社内のITリテラシーに対応しているか
システムの設計や操作方法が複雑すぎると、現場への定着が進まないという問題に直結します。
- マニュアルを見ずに直感的に操作できるか
- 少人数の経理体制でも十分に活用できるか
- 従業員が高齢でITに慣れていない場合でも扱えるか
中小企業ではとくに、属人的な知識や経験に依存せず、誰でも同じように使える設計かどうかが鍵になります。
3. クラウド型かオンプレミス型か
請求書発行システムは、クラウド型(SaaS) と オンプレミス型(自社サーバー導入) に大きく分かれます。
多くの中小企業では、運用負荷や初期コストの少ないクラウド型を選ぶ傾向があります。ただし、業種や社内ポリシーによってはオンプレミスの方が適している場合もあるため、自社の要件を明確にしておくことが大切です。
クラウド請求書に特化した解説記事も用意しています。
4. サポート体制や導入後のフォローは十分か
「使い始めたけれど、よくわからずに放置されたまま」では意味がありません。導入初期の不安を払拭し、社内への定着を支えるサポート体制を必ず確認しましょう。
- サポート対応の有無(標準料金に含まれるのか、別途費用がかかるのか)
- FAQや動画マニュアルなどのセルフサポートのためのコンテンツ
- 説明会の有無
サポートが手厚いサービスほど、中小企業でも安心して継続利用できます。とくにサポートは、ぜひトライアル中に問い合わせしてみましょう。

boardのヘルプページは充実しているので、困ったときにすぐに自己解決できますし、サポートに問い合わせても返信が早く、内容も丁寧かつ的確です。
5. 料金体系とコスト対効果
料金体系は「月額固定」「利用数ベース」「段階的プラン制」など多様です。検討すべき観点は以下の通りです。
- 基本料金
- アカウント数・発行件数・取引先数による上限
- オプション機能の有無と価格
- 最低契約期間・年間契約・解約のしやすさ
- 無料トライアルやキャンペーンの有無
注意すべきなのは、「費用の安さだけにとらわれず、業務効率化やミス削減による実質的な利益」を含めて判断することです。

価格が安いシステムは挙動が不安定な印象もありますが、boardは手頃な価格なのにとても安定していて、これまでにシステムがダウンして使えなくなったり、不具合が発生したりしたことは一度も経験していません。
まとめ:選定の成功は「導入前の見極め」にかかっている
請求書発行システムは、一度導入すると長く使い続けることが多いです。だからこそ、「誰が使うのか」「どう使うのか」「何を重視したいのか」を明確にしたうえで選ぶことが重要です。
【コラム】知名度・定番で選んで失敗するケース
各分野で定番なサービス、デファクトになっているようなサービスでも、うまく運用できず、高額なコストばかりかかっているというのは、本当に良く聞く話です。
導入すれば魔法のようにすべて解決するという万能なシステムはありません。
自社のニーズや社内体制などを総合的に考えて、自社に合ったシステムを選ぶことが最も重要です。
中小企業が導入で直面しやすい課題とその解決策
請求書発行システムは非常に有用なツールですが、導入をスムーズに進めるにはいくつかの壁があります。とくに中小企業では、リソースや人材、慣習の問題から導入を途中で諦めてしまうケースも少なくありません。
ここでは、導入時によく見られる課題と、それぞれに対する対処法をご紹介します。

社内では営業と営業事務のメンバーがメインで使っていますが、彼らに対してもできるだけ丁寧に伝えるようにしました。まずは以前のシステムからそれほど手間が増えるわけではないこと、クラウドだからどこにいても書類を作れるという大まかなイメージを伝えて、顧客登録や案件登録、見積書作成といった最低限の操作については独自のマニュアルを作って、個別に伝えていきました。
1. 初期設定や運用への不安
【課題】
「顧客データの登録が面倒そう」「導入したはいいが、運用開始までに手間がかかるのでは?」という不安は多くの中小企業で共通です。
【解決策】
- CSVインポート機能を活用して、顧客情報・商品情報を一括登録
- 初期設定サポートやチュートリアルを利用
- 社内で「マスター登録」「帳票設定」「運用設計」の役割を分担
とくに初期段階は、積極的にサポートに問い合わせをして仕組みを理解することがスムーズな立ち上げに直結します。
2. 社内の理解や教育不足
【課題】
現場から「これまでの方法のほうが慣れている」「また新しいツールか…」といった抵抗感が生じることはよくあります。
【解決策】
- まずは経理担当者や管理職が先に操作して、実際の使いやすさを体験し、共有
- 小規模なテスト運用からスタートして、徐々に社内へ展開
- 操作マニュアルや説明会などを社内向けに実施
ツールの導入は「仕組みを変える」ことだけでなく「人の意識を変える」ことが鍵になります。
3. 現行システムからの移行負荷
【課題】
「今のやり方(Excelや会計ソフトなど)でとりあえず回っている」「移行作業が面倒で踏み切れない」という声は少なくありません。
【解決策】
- 一部の部署だけ先に新システムで運用して成果を可視化
- 移行時期を「取引が少ない月」や「期初」に設定して、影響を最小化
また、「過去データは残しつつ、新しい取引から新システムに移行する」ハイブリッド方式での運用も有効です。
4. コストに対する抵抗感
【課題】
中小企業では、「今のやり方でお金がかかっていないのに、なぜ有料サービスにする必要があるのか」という意見も根強いです。
【解決策】
- 手作業による作業時間・人的コストを数値化して、費用対効果を可視化
- 「ミスによる損害」「未請求の発生リスク」「法改正への対応コスト」を含めて算出
「業務効率化によって”見えないコスト”を削減する」という視点が、経営層の納得感にもつながります。
5. システム選定の難しさ
【課題】
「選択肢が多すぎて、どれが自社に合っているのかわからない」「違いが見えづらい」という声も多く、選定で迷ってしまうケースがあります。
【解決策】
- 自社の業務フローを書き出し、必要な機能と優先順位を整理
- 機能よりも「使いやすさ」「サポート体制」「業務との相性」に注目
また、すでに導入している企業の事例やレビュー、同業他社の導入実績も重要な判断材料になります。
まとめ:「完璧なスタート」より「着実な一歩」
新しいシステム導入には、多少の負荷や不安はつきものです。しかし、 完璧に整えてから始めるよりも、まず使ってみて改善していく方が成果につながりやすいのが実情です。
請求書発行システムは、その性質上「スモールスタートから初めて徐々に全社導入」への展開がしやすい領域でもあります。 課題があっても、段階的に対応すれば無理なく運用を軌道に乗せることが可能です。
まとめ:中小企業が今「請求書発行システム」を選ぶべき理由
請求書は単なる「金額を伝える紙」ではありません。それは企業の売上・資金繰り・そして法令対応までも左右する、経営にとって重要な業務です。
だからこそ、請求業務を効率化・正確化し、リスクを低減する仕組みが必要なのです。
時代の変化とともに「請求」の在り方も変わっている
- インボイス制度や電子帳簿保存法のように、請求に関する法制度が次々と強化されています。
- テレワークやペーパーレス化が進み、「どこでも仕事ができる」業務基盤の整備が求められています。
- コスト削減と業務効率化の両立は、中小企業経営の重要課題です。
このような時代の潮流の中で、請求書発行システムの導入は安定した会社運営のために不可欠な業務改善ともいえます。
小さな一歩が、働き方改革や企業成長の礎になる
- ミスやストレスから解放された経理業務
- 社内で情報が整理・共有されたチームワーク
- 回収漏れのないキャッシュフロー
- 顧客に信頼される請求体制
これらはすべて、「請求業務を変えた」その先にある成果です。
まずは試してみることから
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あなたの会社の請求業務を、もっと簡単に、もっと安心に。
世の中には数多くのシステムが存在し、どれを選ぶべきか悩ましいものです。
私の見解としては、シンプルで単体で提供されているシステムが、中小企業にとって最適だと考えます。なぜなら、ビジネス環境は常に変化し続けているからです。
自社の成長や縮小、税制改正、システムトレンドの変化などに柔軟に対応し、常にベストな状態を保つには、「小回りの利くシステム」であることが不可欠です。
たとえば、基幹システムにバンドルされた請求書機能は、一見すると便利に思えるかもしれません。しかし、それに依存することで「ベンダーロックイン」のリスクを抱えることになります。基幹システム自体は優れていても、請求書発行機能が時代遅れになっても切り離すことができず、不便なまま使い続けざるを得なくなる可能性があります。
こうした観点から、boardのように単体で利用できるクラウド請求書システムは、中小企業にとって変化への対応力に優れた選択肢となり得ると考えます。