書類PDFで使用されているフォントをリニューアルすることになりましたので、お知らせいたします。
現時点(2023年10月)では従来のフォントが適用されていますが、ベータ版として新フォントを利用できるようになっていますので、全面切り替えの前に新しいフォントを利用したい場合は、後述の方法で切り替えてご利用ください。
フォントのリニューアルの目的
従来のPDFで利用されてきたフォントには、以下の課題がありました。
- 一部のフォントは、第2水準の漢字までしかカバーしていない
- 一部のフォントは、「辻」「祇」などの字形が古いJIS規格に基づいている
- 一部のフォントは、メンテナンスが終了してしまっている
これらの問題の解消に加え、boardが継続的に取り組んでいるアクセシビリティー改善の観点から、書類で使用するフォントを全面的に見直すことになりました。
UDフォントの導入とアクセシビリティー改善の取り組み
書体の視認性・可読性に関しては様々な研究が行われていますが、用途・利用シーン・環境・ロービジョン(弱視)・ディスレクシアなど、多くの要因によって「読みやすさ」は変わってきます。
boardのように、見積書や請求書などの書類を作成して取引先に送付する場合、送信者には受領者側の状況がわかりません。そのため、なるべく多くの方が読みやすい書類を作成できるように、視認性・可読性の高さを重視してデザインされているユニバーサルデザインフォント(UDフォント)を使用する方針のもと、日本のトップフォントメーカーであるモリサワが提供する「UD新ゴ」をデフォルトフォントとすることにいたしました。
参考:UD書体 | モリサワのフォント | 株式会社モリサワ
boardにおけるアクセシビリティー改善の取り組み
boardでは、カラーユニバーサルデザインやWebアクセシビリティーの改善に取り組んでいます。
多様な色覚に配慮したカラーユニバーサルデザイン(CUD)に対応しました
これまでの取り組みは、主にboardを利用する方を対象とするものでしたが、今回のUDフォントの導入は、boardの書類を受領する取引先の⽅も視野に入れ、アクセシビリティーの向上を目指しています。
利用可能なフォントについて
リニューアル後は、モリサワの「UD新ゴ」がデフォルトフォントになります。
*「UD新ゴ」は有償フォントですが、今回のフォントリニューアルではサーバーライセンスを購入し、全アカウントで利用できる標準機能として提供いたします。
また、有料アドオンの「書類デザインエディターPro」を利用している場合は、デフォルトフォントを含む以下のフォントを選択できるようになります。
ゴシック体
- UD新ゴ(モリサワ)
- BIZ UDPゴシック(モリサワ)
- Noto Sans Japanese(Google)
- IBM Plex Sans JP(IBM)
明朝体
- UD黎ミン(モリサワ)
- BIZ UDP明朝(モリサワ)
各フォントの説明とサンプルについては、ヘルプ「フォントの表示サンプル」をご覧ください。
なお、従来の「書類デザインエディターPro」で選択可能だったフォントは、全面切り替えを行うタイミングですべて廃止される予定です。現時点では利用可能ですが、全面切り替え後は従来のフォントは利用できなくなります。
新フォントへの切り替え方法について
現在、新フォントはベータ版としてリリースされているため、自動的には切り替えられません。新フォントを利用する場合は、以下の方法で切り替えてください。
有料アドオン「書類デザインエディターPro」を利用していない場合
上メニューの「設定→書類デザインエディター」で「新しいフォントに切り替え」をONにして、「確定」ボタンを押してください。「新しいフォントに切り替え」がONになっている場合、「UD新ゴ」が使用されます。
なお、この設定は並行稼働中であればいつでも戻せます。
有料アドオン「書類デザインエディターPro」を利用している場合
上メニューの「設定→書類デザインエディター」の「共通フォント設定」で新フォントを選択し、「確定」ボタンを押してください。
有料アドオンを利用している場合、複数の選択肢からフォントを選択できますが、今回のリニューアルに際しては、アクセシビリティー改善の取り組みとして複数のUDフォントを導入しています。デフォルトフォントの「UD新ゴ」の他、「BIZ UDPゴシック」「UD黎ミン」「BIZ UDP明朝」がUDフォントですので、ぜひUDフォントをご利用ください。
全面切り替えの予定について
新旧フォントの並行稼働を終了し、新フォントへの全面切り替えを行う時期は現時点では未定ですが、2024年春〜夏頃を予定しています。具体的な日程が決まり次第、アナウンスいたします。
なお、全面切り替えが行われる時点で旧フォントが設定されている場合は、自動的に新フォントのデフォルトである「UD新ゴ」に切り替えられます。
フォント変更に関する注意事項
フォントが変わると行間・字間などが変わるため、1行ないし1ページあたりの文字数が変わります。これに関連して、フォントの変更にあたっては以下の注意点がありますのでご確認ください。
- 有料アドオンの「書類デザインエディターPro」で文字サイズや余白などを調整している場合、微調整が必要になる可能性があります。
- 1行ないし1ページあたりの文字数が変わることにより、これまで1行や1ページに収まっていたものが収まらなくなる可能性があります。
- スペースを入れてレイアウトを調整している場合、新フォントでは意図したレイアウトにならない可能性があります。
- 稀に、会社名・住所などにスペースを入れてレイアウトを調整しているケースが見受けられますが、このような調整はフォントの変更に限らず、書類レイアウトに関する小さな仕様変更でも影響を受けやすいため、推奨しておりません。
並行稼働時(ベータ版)における新フォントへの切り替えは必須ではありませんが、とくに上記の注意事項に該当するケースでは、全面切り替えが行われた際に混乱が生じないよう、事前にフォントを切り替えて影響の確認および調整をしていただくことをお勧めいたします。