【課題】請求数の増加とともに、請求漏れが発生するようになってしまっています。営業と経理の間での情報共有がうまくできていなかったり、経理の中でもミスがあったりと、業務が整備されておらず、ミスの温床になってしまっています。
請求書の発行件数が少ないうちは、エクセルでの管理など、業務をしっかりと整備していなくても問題なく業務が回っていたものの、件数が増えてくるにつれて追いつかなくなってしまったというのは、よく聞く問題です。
このような場合の対策と進め方を考えていきましょう。
対応策
1. 業務を整理する
エクセル管理の限界を感じたら、真っ先にシステムの導入を検討しがちですが、その前に、まずは業務を整理することをお勧めします。
- 不要な業務はないか
- 問題が発生している原因は何か
- 中長期的に、どういうかたちに持っていきたいか
などを考えると良いのではないかと思います。
たとえば、
- 以前から続けてたやり方が残っているものの、実はその要否をちゃんと考えたことがなかった
- 会社を作って以来、その場対応をするかたちでやってきてしまい、全体を整理するということをしたことがなかった
などの場合、システム導入以前に、一度業務の見直し・整地をしておくと、システム選定の際にスムーズに検証ができるようになります。
なお、自社開発やカスタマイズをする場合は別として、既存のサービス・ソフトを導入する場合、この段階であまりかっちりと業務フローを定義してしまうと「合うシステムが見つからない」という事態に陥ってしまう恐れがあります。
そのため、このタイミングでは、厳密な業務フローを定義していくというよりは、不要な業務・無駄が多い業務などを整理していき、要件をスリム化しておくと良いでしょう。
2. システムを選定する
前述の業務整理を行うことで、それがシステム選定時の要件になってきます。
システム選定におけるポイントは、「【業務お悩み相談】請求書作成や予定の管理などをエクセルで作成していて、手間がかかり、またミスも多い」をご覧ください。
3. システムに合わせて業務フロー・運用ルールを作る
導入するシステムが決まったら、そのシステムを軸に、業務フローや運用ルールを決めていきましょう。前述の「1. 業務を整理する」の時とは異なり、今回はしっかりと定義していきます。
このステップは、安定した運用のためには非常に重要なポイントになります。よく聞く運用時の課題として、たとえば以下のようなものがあります。
- 顧客マスターなどの登録ルールを決めておらず、各自が思い思い登録してしまい、同じ会社がいくつも登録されてしまっている
- ステータスの定義が個人ごとに異なり、売上見込の把握の精度に影響してしまっている
- システムに登録するタイミングがまちまちで、必要な情報が登録されていないことがある
各個人の感覚・解釈で登録していってしまうと、上記のような問題が発生しがちです。そういった事態を防ぐため、基本的な業務フローや運用ルールを定義し、社内に周知した上で運用をスタートしていきましょう。
4. システムを社内に展開していく
システムを社内に展開していくにあたって、どのように進めていくのが良いか、というのは多くの会社様で迷われる点です。
規模が小さかったり、システム導入に慣れている場合は、一気に切り替えることもできると思いますが、そうでない場合は、少しずつ段階的に切り替えていく方法をお勧めします。
たとえば
- 新規の取引から新しいシステムに登録していき、しばらくの間は新旧の療法を並行運用する
- 数か月間は慣れるための期間とし、各メンバーがそれぞれ新旧どちらか好きな方を選択できるようにする
などのように、それぞれの業務の忙しさに合わせて選択できるようにするなど、一気に切り替えるのではなく、緩やかに切り替えていくことで、急な変化による混乱を防げます。
まとめ
エクセルや紙での業務が多く残っている場合、件数の増加とともに、ミスの増加や業務負担の増大といった状況に陥りがちです。そういった兆候が出てきたら、なるべく早めに、上記のようなことを行っていきましょう。
ただ、システムは魔法のツールではありませんので、導入しただけで問題が解決するといったものではありません。
システム導入をうまく進めて効果を出すためには、上記のような業務整理は不可欠です。すでに業務が忙しくなってしまっている状況から、さらにそういった業務整理の時間を取るのは大変かと思いますが、先送りしても自然に解決はしませんので、状況がより悪化する前に、手を打っていくことをお勧めします。
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board事例インタビュー
以前はExcelとZohoで管理していました。はじめは「この業界で、B向けの経営管理のサービスが出たんだ」という単純な興味でサイトを覗いたのですが、毎月売上が発生する自社サービスと、単発の受託開発、技術支援など、我々の全事業の売上管理と見通しが一元管理できるサービスであることが分かりboardに切り替えました。